DIATONE DS-700
¥138,000(2台1組、1989年6月発売)
解説
スタガード・マルチ・ドライブ方式を採用したヒストリーシリーズのスピーカーシステム。
DS-700では振動板素材にLCP(Liquid Crystal Polymer)を採用しています。
この液晶ポリマーは自己補強効果があり、チタンにも匹敵する比弾性を持っています。また、高分子材であるため理想に近い大きな内部損失を併せ持っています。この素材を射出成形法によって超薄肉振動板としており、剛性を高めるとともに比弾性率を向上させています。DS-700では全てのユニットにLCPを採用しており、同じ物性を持つ振動板で全ての帯域を鳴らす等音速2ウェイとしています。
また、磁気回路にリパルジョンマグネットを装着することで磁束漏れを防止した防磁設計となっています。
低域には16cmコーン型ウーファーを2個搭載しています。
DS-700では通常の2ウェイに加えて低域補強用ウーファーを設けたスタガード・マルチ・ドライブ方式を採用しており、豊かな低域再生を可能にしています。この方式ではウーファーを中低域用と低域用の2つに分け、さらにそれぞれ専用のネットワーク回路を構成することでツィーターとのつながりをスムーズにしています。
2つのウーファーユニットはそれぞれの受持帯域に応じて設計されており、中低域用ウーファーには固有音を排除するためキャップにネットを採用しています。
高域には2.5cmドーム型ツィーターを搭載しています。
ツィーターユニットではLCP振動板をダイヤトーン独自のDUD構造で使用しており、ボイスコイルと一体化することでハイスピード再生を実現しています。
また、磁気回路にはDM構造を採用することで高剛性化し、不要振動を排除しています。さらにフレーム面積を少なくして不要輻射を抑えこんでいます。
ネットワーク部のコイルには積層オリエントコアに無酸素銅線を巻いた高性能コイルを採用しています。また、結線方式には圧着ワイヤリングを、各素子や入力端子には厳選した素材を採用しています。
さらに、独立給電方式を採用することで各ユニットのネットワーク間の干渉を排除し、3分割ネットワークボードを採用することで混変調を排除しています。
エンクロージャーは6面全てがマホガニーの本格突き板仕上げとなっています。
内部構造には分散共振型を採用し、バッフルの構造は包み留めホゾ組とするなど、振動による影響を排除しています。
別売りでエンクロージャーと同じマホガニー突き板仕上げのスピーカースタンドがありました。
機種の定格
方式 | 2ウェイ3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型・防磁タイプ(EIAJ) |
使用ユニット | 低域用:16cmコーン型x2 高域用:2.5cmドーム型 |
公称インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 40Hz~30kHz |
出力音圧レベル | 89dB/W/m |
最大入力 | 150W(EIAJ) |
外形寸法 | 幅216x高さ550x奥行295mm |
重量 | 15.0kg |
付属 | OFCスピーカーケーブル |
別売:スピーカースタンド DK-700(2台1組、¥38,000) | |
外形寸法 | 幅290x高さ370x奥行320mm |
重量 | 6.0kg |