DIATONE DS-32BmkII
¥47,000(1台、1981年発売)
解説
DS-32BをベースにDUD構造などの新技術を投入したブックシェルフ型スピーカーシステム。
低域には25cmコーン型ウーファーを搭載しています。
コーン紙には周辺部のみに厚みを持たせて高密度成型した周辺補強コーンを採用しており、軽さを損なわずに強度を増し、非軸対称分割振動を抑えて大振幅での歪を抑えています。
磁気回路には特殊合金FNリングを装着した低歪磁気回路を採用しており、ボイスコイル付近の空隙部分に生じやすい磁気特性の非直線性を改善し、低歪化を図っています。
フレームには十分な肉厚を持ったダイカストフレームを採用しており、固有振動を抑えています。
中域には10cmコーン型スコーカーを搭載しています。
振動板のコーン紙には適度な硬さと内部損失が得られるドライプレスコーンを採用しています。また、センターキャップにはジュラルミン製の薄板を成型してダンピング処理を施すことで、高音部の特性を滑らかにしています。さらに、エッジにはV字型のフィクスドエッジを採用しており、特殊ダンピング材を塗布して使用しています。
フレームには肉厚ダイカストを採用しています。
高域には4cmセミドーム型トゥイーターを搭載しています。
DS-32BmkIIでは、ダイナミックレンジの拡大と歪の低減を図るため、ダイアフラムとボイスコイルボビンを一体化したD.U.D.(ダイヤトーン・ユニファイド・ダイヤフラム)を採用しています。これにより振動が直接ダイヤフラムに伝わることで高域限界を拡大しています。さらに、放熱効果を高めるとともに過渡応答性を改善しています。
ネットワーク部には素材から検討を図った低歪ネットワークを採用しています。
DS-32BmkIIでは、コンデンサーには歪が少なく優れた高域特性を持つメタライズド・テーパー・フィルムコンデンサーを採用しており、コイルや配線材には直流抵抗の少ない無酸素銅線を採用しています。
中域と高域に各3段階の切換が可能なレベルコントロールを搭載しており、リスニングルームの条件に合わせて特性の調整ができます。
フロントバッフルのユニット配置は、高域の指向性を考慮して一列に並べたレイアウトとなっています。さらに、左右のスピーカーを対称にすることで音像定位を改善しています。
エンクロージャーはバスレフ構造となっており、折り曲げポートを採用することでポートから中音域にかけての輻射を低減しています。
また、エンクロージャーの剛性を高めるため、包み留めホゾ接ぎという方法でバッフル板を接合し、さらに補強材を適所に配して共振モードを分散することで箱鳴りを抑えています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 低域用:25cmコーン型 中域用:10cmコーン型 高域用:4cmセミドーム型 |
定格インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 38Hz~30kHz |
出力音圧レベル | 91dB/W |
クロスオーバー周波数 | 700Hz、5kHz |
レベルコントロール | 中域:3ポジション(700Hz~5kHz) 高域:3ポジション(5kHz~30kHz) |
最大入力 | 80W |
外形寸法 | 幅320x高さ610x奥行316mm |
重量 | 16kg |