オーディオの足跡

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DS-28Bの画像
 解説 

ダイナミックでプレゼンスの良い再生を実現するために開発されたスピーカーシステム。

低域には25cmコーン型ウーファーであるPW-2521BMAを搭載しています。
このユニットのコーン紙は、3種のパルプを混合し、適度にビーティングされた物性の優れた和紙をキーポイントに置いて構成されており、気密性と適度な損失を両立させ密閉型用の振動板を実現しています。
また、エッジには動的直線性に優れたU字型エッジを採用しています。このエッジは、動作状態において中性位置がうまく保たれるよう静止状態では中性位置を若干ずらした設計となっています。また、素材には新開発のものを採用しており、繊維自体の物性の研究、方向性の無い織り方にするための繊維の太さ、縦糸と横糸の比など、様々な点で検討が行われています。そして、エッジの表面には熱硬化性樹脂と粘弾性樹脂を混合したものを数回に分けてコーティングし、最後の仕上げに特殊ダンピング処理を施すことで滑らかな動きをするようにしています。
磁気回路にはあえて高価なアルニコ系鋳造磁石を使用することで、歪を低減するとともに動特性を安定させています。また、マグネット素材には高級スピーカー用として開発されたBH積の大きなMK磁石(三菱製鋼製)を使用してます。
フレームには4mm厚のアルミダイカストフレームを使用しており、フレームの固有振動やフレーム自体からの不要な音の放射を抑えています。

中域には10cmコーン型スコーカーであるPM-1021CMを搭載しています。
コーンにはカテナリーカーブドコーンを採用しています。このコーンは、コーン断面の形状をカテナリー曲線に沿った形状にしており、パルプからコーン紙をすきあげる時、非常に自然な形ですきあがるため繊維内部に歪が生じません。また、ボイスコイルからエッジ方向に向けてコーン内部に生じる応力ベクトルが自然な形態をたどるため、異常振動や固有振動が発生しにくく、スムーズな特性と安定した物性が得られています。さらに、コルゲーションを配した整合共振型にすることで、広い指向特性とコーンの強度を得ています。
また、センターキャップ部には、振動姿態をレーザーホログラフィで解析し、キャップ自体の固有振動を抑えるためにダンピング処理を施しています。これにより、センターキャップからの歪音の放射やコーン紙の振動への悪影響を抑えています。
エッジ部はV型クロスエッジを採用してます。このエッジでは、実用範囲内の振幅で直線性が優れかつ横振れに強い点を考慮してV字型を採用しており、材質には太い繊維を使用しスティフネスの大きいエッジを実現しています。さらに、このV型クロスエッジにダンピングと量をコーティングすることで気密性を増すとともに直線性の一層の向上を図っています。このV型クロスエッジにより、小振幅における直線性を大幅に改善しています。
このユニットの振動板後部には完全密閉構造のバックチャンバーを備えており、その空気質に吸音材を充填したアコースティックロード型を採用することで、ウーファーとの干渉を抑え、混変調歪などを低減しています。

高域には3cmドーム型トゥイーターであるDH-2203CMAを搭載しています。
振動板にはポリエステル樹脂系ダイヤフラムを採用しています。この材質は、レーザーホログラフィを用いたダイアフラムの振動解析によって決定したもので、適度な剛性と内部損失をもっているため能率が高く、なめらかな特性を得ています。
また、エッジ部には、ローリング現象や経時変化による性能劣化を防ぐため、非常に幅の狭いストレートエッジを採用しています。そして、このストレートエッジを独自のサンドイッチ構造で支持し、弾性体を介して固定しています。これによりエッジ部での異常共振や不要な音を排除しています。

ネットワーク部には、ローレベルからハイレベルまで音質の変化が無く大入力になっても音の伸びが良いソフトディスとーションタイプのコイルを採用しています。
また、コンデンサーには、音の透明感を改善するとともに、大入力時にも信頼性が高いプレーン箔を用いたバイポーラコンデンサーを採用しています。

中域と高域用にレベルコントロールを搭載しています。

エンクロージャーには密閉方式とし、さらに独自の分散共振型構造を採用しています。
分散共振型では、キャビネットの振動パターンを物理的に解析し、補強棧を不均一に分散配置しています。そして、キャビネットの接合構造には胴附やいも接といわれる悪い接合方法は一切使わず、全ての接合部分はホゾ接やヤトイザネと言われる高度な木工技術を要する強固な構造としています。これにより、共振モードは分散され、ある特定の帯域でキャビネットが大きく共振する箱鳴り現象を防いでいます。
また、キャビネットの材質には音響特性の優れた高密度多層構造式パーティクルボードを採用しています。

フロントバッフル部にはエッジレス構造を採用しています。
これは、従来のスピーカーで多かったくぼんだフロントバッフルではなく、バッフル板周辺のエッジ部を取り除いたもので、指向特性を改善しています。

機種の定格
方式 3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型
使用ユニット 低域用:25cmコーン型(PW-2521BMA)
中域用:10cmコーン型(PM-1021CM)
高域用:3cmドーム型(DH-2203CMA)
公称インピーダンス
再生周波数帯域 40Hz~20kHz
定格入力 15W
最大入力 50W
出力音圧レベル 91dB/W(新JIS表示)
クロスオーバー周波数 800Hz、5kHz
レベルコントロール 中域:3ポジション(800Hz~5kHz)
高域:3ポジション(5kHz~20kHz)
外形寸法 幅345x高さ590x奥行270mm
重量 15kg