DIATONE DS-205
¥250,000(1台、1996年11月発売)
解説
小口径ウーファーを大容量エンクロージャーで鳴らすという響きの原点に立ち返って開発されたスピーカーシステム。
低域には20cmコーン型ウーファーを搭載しています。
振動板には軽量で剛性の高いアラミッドクロス・コーンを採用しています。アラミッドクロスコーンでは高い強度と適度な内部損失を有する芳香族ポリアミド系の有機繊維アラミッドをコーン素材として採用しており、さらに従来は使用していたエポキシ樹脂などのバインダーを2層構造とすることで排除することで軽量化を実現しています。また、アラミッドの持つ大きな内部損失の特長を活かすことができ、固有音の低減効果を向上しています。
さらにDS-205では人工皮革エッジを採用するとともに、磁気回路にはアルニコ・マグネットを用いたADMC磁気回路を搭載することで低歪化を実現しています。
高域には2S-3003の技術を継承した5cmコーン型ツィーターを搭載しています。
このユニットでは結晶ダイヤモンドに次ぐ高い比弾性率を持つB4C(ピュアボロン)をコーン型で採用するとともに、支持系などの見直しを図っています。
また、ユニットの周囲には人工皮革を貼り、不要振動や音波の一次反射音を抑制しています。
キャビネットとバスレフポートの設計には注意が払われており、ウーファーユニットを伸び伸びと鳴らすため容量を80リットルと大きめに確保するとともにバスレフポートも大きく設定することでユニットにかかる背圧を軽減しています。このキャビネット容量とバスレフポート口径、ユニット口径のバランスは試聴を重ねて聴感上最も気持ちよく鳴るバランスをカット・アンド・トライで決定しています。
また、R80の大径ラウンドを側板に持たせ、前面および背面から回り込んでバッフルおよび裏板へと接合しています。これによりユニットからの振動に対しキャビネット全体が振動支点を分散させる効果を持つとともにユニットから放射された音波の回折現象による歯面の乱れを抑制しています。側板は強度が高く緻密なブナ合板を11枚クロス積層し、高い剛性を確保しています。また、内部接合部にはピアノなどにも使用されるカナディアン・メイプル材を使用することで美しい響きを実現しています。
キャビネットは熟練職人による手作業仕上げとなっています。
バイアンプ/バイワイヤリングに対応し、バナナ端子も接続できる金メッキの大型スピーカーターミナルを採用しています。
デザイン的にも音質的にも専用設計されたスピーカースタンドがありました。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・フロア型・防磁タイプ(EIAJ) |
使用ユニット | 低域用:20cmコーン型 高域用:5cmコーン型 |
定格インピーダンス | 4Ω |
再生周波数帯域 | 35Hz~40kHz |
出力音圧レベル | 88dB/W/m |
クロスオーバー周波数 | 2.5kHz |
最大入力 | 150W(EIAJ) |
外形寸法 | 幅482x高さ700x奥行362mm ネット付奥行:371mm |
重量 | 26kg |
別売:スピーカースタンド DK-205(2台1組、¥80,000) | |
外形寸法 | 幅450x高さ230x奥行351mm |
重量 | 9kg |