オーディオの足跡

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 解説 

ダイヤトーン工房が数々の音響技術と木工技術を駆使して開発したスピーカーシステム。

低域にはアラミッド・ハニカム・コーンを用いた27cmコーン型ウーファーを搭載しています。
アラミッド繊維は、芳香族ポリアミド系の長繊維で、高強度と高弾性の性質に加え、軽量と適度な内部損失を持っています。このアラミッド繊維と可撓性レジンを特殊配合した特殊マトリクス樹脂をハニカム・コーンのスキン材に使用することで適度な内部損失を獲得しており、コアと接着してハニカム構造振動板としています。
エッジ部には全方向に均一な強度を発揮する三軸織りアラミッド繊維を採用しており、直線性に優れたローリングの少ないピストン運動を実現しています。
また、磁気回路にはA.D.M.C.-m(Advanced Magnet Circuit-music)磁気回路を搭載しており、入力信号に対する応答性の向上、過渡応答に対する動作の安定化、交流磁束に対する時間軸領域での安定化を図っています。
さらに、振動板の振動によって発生する空気の流れにも着目し、キャビネット内部へ放射される振動板背面について細部にわたって検討が加えることで聴感上のS/Nの改善を図ってます。

中域にはB4C振動板を用いた7.5cmドーム型ミッドレンジを搭載しています。
B4Cは、結晶質ダイヤモンドに次ぐ高比弾性率を誇り、さらに非金属なので適度な内部損失も併せ持っています。この物質は2,450℃という高い融点を持つためダイヤトーン独自のプラズマ溶射方式によって成形しており、この製法を高精度に制御することによって、大口径B4C振動板を実現しています。また、振動板をボイスコイルボビン一体型のD.U.D.構造とすることで入力信号への優れたリニアリティを確保しています。
エッジ部には両面H.D.(ハイダンピング)タンジェンシャル・エッジを採用しています。このエッジは中心材として方向性の無い不織布を使用しており、さらにダンピング材を適度に含む綿布を用い、接着層を含めて5層構造となっています。これにより不要な輻射音の低減と振動板の振動方向以外の挙動の抑制を実現しています。
駆動系には直径90mmのアルニコ磁石を用いたA.D.M.C.-mを搭載しています。また、サスペンションを介して振動板を支えるサブフレームは大径化し、磁気回路プレート面との接触面積を増大させることで異種金属の接触による振動減衰効果を高めています。このサブフレームには、振動減衰能力の高い塗料で表面を塗装することで不要輻射を徹底して抑えています。また、材質についても吟味がされており、試聴を繰り返して銅合金が選定されています。

高域にはB4C振動板を用いた2.3cmドーム型トゥイーターを搭載しています。
このユニットには、ミッドレンジと同様にボイスコイルボビン一体型のD.U.D.構造を採用しています。また、磁気回路にはプレートが直接バッフル板に取り付けられたD.M.(ダイレクト・マウント)方式が採用されており、大径化された銅合金素材のサブフレームで徹底的に不要共振を抑制しています。

ネットワーク部の内部配線材には各ユニットごとにふさわしい電線材料を用いており、電流の境界面歪を排除するため金メッキスリーブによる圧着ワイヤリングが施されています。さらに、各ユニットへの適正な電流供給を実現するため、ラジアル給電方式を採用しています。
ネットワーク回路は、素子(インダクター・コンデンサー)の方向性まで充分に試聴を繰り返して配置を決定し、素子自体をネットワークベースに無理に拘束することのないソフトクランブとして高音質化を図っています。また、ネットワークベース材には減衰特性の美しいスプルース材を使用しています。さらに、3ピース分割構造や分割配置とすることでインダクターの相互の電磁結合やエンクロージャー内部音圧によるモジュレーションに対しても配慮がされています。
さらに、ネットワークからユニットに至る配線材の位置についても相互の影響を排除するように配慮されています。

入力端子には無酸素銅削り出し品に金メッキを施して使用しています。

エンクロージャーは世界中から選び抜いた最高の木材を最高の木工技術で仕上げることをコンセプトにしており、その上でダイヤトーンの振動解析技術が導入され、製造されています。
バッフル板と裏板には、ピアノの共鳴板としても使用されているスプルース材を使用してます。このスプルース材は、北米シトカ地方で産出されるシトカスプルースをランバーコア構造にして採用しています。また、このランバーコア構造における木材の微妙な動きを抑制するため、表面材を表裏2層貼り合わせ、その上にアメリカンチェリーの突き板材が貼られています。
エンクロージャー各部材の接合には、弦楽器の胴板や裏板、ファゴットなどの楽器に使用されるハードメイプルの接合用角部材を使用しています。そして、板としての振動を綺麗な響きとして引き出すため、一つ一つの部材の端面を接合のために特殊加工せず、単純な形状のまま接合しており、振動モードを複雑化させないよう配慮がされています。
表面仕上げには音質特性を考慮し、輸出用の最高級グランドピアノにのみ施されるポリエステル厚膜光沢塗装仕上げが採用されています。この塗装方法では、下地処理から最後のバフ研磨まで35の工程を経て完成に至ります。特徴として、一般的なウレタンと層に比べて表面の硬度が充分にとれるため、アタックのスピード感や、解像度の向上を実現しています。

圧着ワイヤリングに金メッキスリーブを、入力端子には無酸素銅削り出し品を金メッキ仕様とし、ピュアリティの向上を推進。さらにラジアル給電方式の採用や3ピース分割構造、分割配置など、考え得るすべての高純度伝送技術を投入しました。

DS-20000は、工場出荷時に充分なエージング効果を得るため、プライマリーエージングが施されています。
このエージングでは、低音域にはサスペンションの振幅を大きく与え、中高音域には音楽信号のスペクトラムに近いノイズ信号を流す独自の信号が使用されていました。

エンクロージャーの光沢維持やメンテナンス用としてポリシング・ワックスとポリシング・クロスが付属しています。

別売で専用に設計されたスピーカースタンドがありました。

機種の定格
方式 3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型・防磁(EIAJ)タイプ
使用ユニット 低域用:27cmコーン型
中域用:7.5cmドーム型
高域用:2.3cmドーム型
定格インピーダンス
再生周波数帯域 35Hz~80kHz
出力音圧レベル 88dB/W/m
クロスオーバー周波数 500Hz、5kHz
最大入力 220W(EIAJ)
外形寸法 幅360x高さ695x奥行339mm
重量 35kg
付属 ポリシング・ワックス
ポリシング・クロス
別売:専用スピーカースタンド DK-20000(¥150,000、2台1組)
外形寸法 幅360x高さ185x奥行304mm
重量 9kg