DIATONE DS-1000C GRANDIA
¥150,000(1台、1989年9月発売)
解説
スタガード・マルチ・ドライブ方式を採用したフロア型スピーカーシステム。
ウーファー
低域には22cmコーン型ウーファーを2個搭載しています。
振動板にはニューアラミッド・ハイブリッド・ハニカム振動板を採用しています。
この振動板の表スキンには、高強度と適度な内部損失を持つ有機繊維アラミッドと、従来よりさらに15%剛性をアップした無機繊維アモルファスシリカのイントラプライ構造によるアラミッド・ハイブリッドFRPを採用しています。また、裏スキン材には内部損失に優れたセルロース系スキンを採用しています。このふたつのスキン材をハニカム構造とすることで高剛性と内部損失の高次元での融合を実現しています。
さらに高剛性R.S.フレームを採用することで不要共振を抑制しています。
磁気回路にはADMC(Advanced Magnet Circuit)を採用しています。
この方式では駆動系に発生する磁気歪を有限要素法を駆使して徹底的に解析し、効果的に抑制しています。まず、ボイスコイルと交差する磁束の直流成分や交流磁束における分布の対称性を高めるためセンターポール形状を根本から見直しています。また、センターポールに導電性のリングをダブルに配することでボイスコイルからの交流磁束を相殺し、直流磁束と交流磁束の重畳で起こる磁気歪を抑制しています。さらに磁気回路内の交流磁束による直流磁束の乱れも低減しています。
ミッドレンジ
中域には5cmドーム型ミッドレンジを搭載しています。
振動板にはボロンDUDを採用しています。
ボロンは高い比弾性を持ち、高耐久・耐候性、固有音の抑制などに優れた特性を持っています。そして、DUD方式はダイアフラムとボイスコイルボビンとを一体化した高剛性振動板構造で、ボイスコイルに発生した駆動力を振動板に損失なく伝達することで入力信号に対する応答性を改善しています。
支持部には積層痰ジェンシャルエッジを採用しています。
このエッジは減衰特性に優れたアラミッド繊維をブチルゴムでハイブリッド構造としており、リニアリティに優れ、サスペンション自身の固有音も抑制しています。
フレーム部にはDM方式を採用しており、磁気回路のプレート部をマウントプレート化することでフレームとの一体化構造とし、磁気回路を直接エンクロージャーにマウントすることで高剛性化を図っています。
さらにフレーム素材には防振効果の高い真鍮材を採用しており、いっそうの剛性強化を実現しています。
ツィーター
高域には2.3cmドーム型ツィーターを搭載しています。
ネットワーク
2つのウーファーには中・低域用と低域用のそれぞれ専用のネットワーク回路を構成しており、ミッドレンジとのつながりをスムーズにし、ファンダメンタル帯域の充実を図っています。
独立給電方式を採用しており、各ユニット・ネットワーク間の干渉を排除しています。
また、電流の金属境界面歪を防ぐため無酸素銅スリーブによる圧着ワイヤリングを採用しています。
エンクロージャー
エンクロージャーにはバスレフ方式を採用しています。
エンクロージャーには板厚40mmの二層ラミネート・パーティクルボードを使用しており、高剛性化を図っています。また、エンクロージャーの振動解析をはじめとする計測・解析技術を駆使して共振モードを抑える分散共振型としています。
さらに、約60リットルの容積のリアバスレフ方式を採用しており、より豊かな低域再生を目指しています。
ベース部は50mm厚のソリッド材を使用しており、エンクロージャーを点で受ける構造とすることで設置のコンディションによる影響を小さくしています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・4スピーカー・バスレフ方式・フロア型・防磁(EIAJ)タイプ |
使用ユニット | 低域用:22cmコーン型x2 中域用:5.0cmドーム型 高域用:2.3cmドーム型 |
公称インピーダンス | 6Ω |
再生周波数帯域 | 32Hz~40kHz |
出力音圧レベル | 90dB/W/m |
クロスオーバー周波数 | 400Hz、500Hz、5kHz |
最大入力 | 180W(EIAJ) |
外形寸法 | 幅320x高さ993x奥行374mm |
重量 | 46kg |
付属 | OFCスピーカーケーブル |