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DENON SC-106
¥59,800(1台、1978年頃)
解説
デンマークのピアレス社と共同開発したユニットを採用したブックシェルフ型スピーカーシステム。
低域には共同開発による30cmコーン型ウーファーを搭載しています。
このユニットでは振動系重量を徹底して軽量化しており、トータルダイナミックマス(等価質量)を40grに抑え、過渡音に対しても優れた応答性を実現しています。また、ボイスコイルには新開発の接着剤による特殊処理が施されており、連続的な大入力による温度上昇に対しても良好な対応力を獲得しています。
中域には10cmコーン型ミッドレンジを搭載しています。
振動系は徹底した軽量化が施されており、素直な音圧周波数特性と良好な指向特性を実現しています。
また、一体化された軽合金ダイカストによるハウジングを採用する事でウーファーからの空気圧や振動の影響を排除しています。
高域には5cmコーン型ツィーターを2個搭載しており、左右方向に指向性を持たないよう縦に2個並べて配置しています。
振動板にはミッドレンジと同様に裏面に制動剤を塗布して分割共振を抑えたコーン紙を採用しています。
SC-106は新しい測定法としてサウンド・ラチチュード特性を測定して開発されています。
この特性は信号がスピーカーシステムに加えられた際に、ウーファーの振動板が大きな振幅で動いた場合、同時に入力されている高音域の信号が影響を受けて変化する割合がどのようになるかを測定した特性で、高音域信号が変化せずに再生されるのが理想的となります。
この測定方法を基にしてウーファーのクロスオーバー周波数を500Hzに設定し、各ユニットの振動領域と耐入力領域を理想的に配分した上で、試聴と特性測定を繰り返してネットワークの定数を決定しています。
中域と高域に連続可変式のレベルコントロールを搭載しています。
エンクロージャーには密閉方式を採用しています。
また、ユニットレイアウトを左右対称設計とする事でより理想的な指向性パターンを実現しています。さらに、各ユニットのフレームとバッフル板との間に緩衝効果の大きいブチル系のパテを充填した上でネジ止めしており、ユニット間の干渉による混変調歪を徹底的に押さえています。
エンクロージャーの素材には両面にリアル・ウォルナットを貼った硬質パーティクルボードを採用しています。これは芯材の種類や片面のみにウォルナットを貼った場合など、何種類もの聴感テストを行った結果から決定されたもので、良好な響きを得ると共に経年変化による材質の反りも最小に抑えています。
プリントジャージのサランネットが付属しています。
別売りオプションとしてスピーカースタンドがありました。
このスタンドは金属角パイプ製でシルバーメタリック塗装が施されています。このスタンドを組み合わせる事で仰角での設置も可能です。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・4スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 低域用:30cmコーン型 中域用:10cmコーン型 高域用:5cmコーン型x2 |
周波数帯域 | 35Hz~20kHz |
インピーダンス | 8Ω |
最大許容入力 | 100W(DIN) |
平均出力音圧レベル | 92dB/W/m |
全高調波歪率(5Wにて) | 1.3%以下(100Hz以上) |
クロスオーバー周波数 | 500Hz、4kHz |
レベルコントロール | 中域、高域、連続可変 |
エンクロージャー | 両面リアル・ウォールナット貼り20mm厚硬質パーティクルボードボード |
外形寸法 | 幅370x高さ680x奥行324mm |
重量 | 21kg |
別売:スピーカースタンド IS-7(2台1組、¥16,000) | |
外形寸法 | 幅340x高さ780x奥行335mm スピーカー部高さ:335mm |
重量 | 3.2kg |
その他 | 脚部4箇所、前部2箇所はそれぞれ各15mm可動 |