
DENON DP-790/DP-790W
¥47,000(1975年10月発売)
解説
ダイレクトドライブ・プレイヤーにMM型カートリッジDL-8を組み合わせたレコードプレイヤー。
駆動方式にはダイレクトドライブ方式を採用しています。
ベルトやアイドラなどの回転伝達機構が無いため、それらに起因するワウフラッターやランブルが無く、摩擦や変形を生じないため初期性能が長期間維持されます。
ダイレクトドライブ方式で重要な回転スピードの検出にはDENONが放送局用機向けに開発した精度の高い磁気記録再生方式を採用しています。この方式では、ターンテーブルのリムの内側にコーティングされた磁性体にパルス信号を記録し、これを近接した磁気ヘッドで検出して回転スピードを制御しています。
これによりワウフラッターや立ち上がりなどで優れた諸特性を保っています。
駆動モーターには回転の滑らかなACトルクモーターを採用しています。
ACモーターはDCモーターに比べて原理的に回転が滑らかなため、ランブルやワウ・フラッターなどの点で優れています。
スピード調整ツマミをNormalポジション(クリックストップ)を搭載しています。
このポジションにすると、内部の安定した基準電圧で自動的に正確な規定回転数となります。これは高級ダイレクトターンテーブルDP-5000Fと同じ方式となっています。
トーンアームにはS字型針圧直読方式のユニバーサルトーンアームを採用しており、高感度・高追従性を実現しています。
さらに、アンチスケーティング機構の採用によって針飛びやアームの流れ十分な配慮がされています。
トーンアームとキャビネット間に適度に粘性のある特殊弾性体(粘弾性体)を取付けることで、キャビネットからの振動を遮断しています。
また、キャビネットの両端にも粘弾性体を取付けることで、ダストカバーを閉じた時に音圧によるダストカバーの振動を防いでいます。
インシュレーターを採用することでハウリングを抑えています。
カートリッジにはDP-790用に新設計されたMM型カートリッジであるDL-8を採用しています。
DP-790は栓仕上げ、DP-790Wはウォルナット仕上げのキャビネットを採用しています。
機種の定格
型式 | ダイレクトドライブプレイヤーシステム |
<フォノモーター部> | |
駆動方式 | ACサーボモーターによるダイレクトドライブ |
モーター | 交流トルクモーター |
回転数 | 33・1/3rpm、45rpm |
スピード調整範囲 | ±3%以上 |
S/N比 | 60dB以上 73dB以上(DIN-B) |
ワウ・フラッター | 0.03%wrms |
起動特性 | 1/2回転以内で定速回転 |
ターンテーブル | 30cmアルミダイカスト製、1.1kg |
慣性質量 | 160kg・cm2 |
スピード制御方式 | 周波数検出によるサーボ方式 |
<トーンアーム部> | |
型式 | スタティックバランス型 |
有効長 | 244mm |
オーバーハング | 14mm |
トラッキングエラー | 2.5゜以内 |
針圧可変範囲 | 0~2.5g/1回転 1目盛0.1g、直読方式 |
適合カートリッジ自重範囲 | 5g~11g |
シェル自重 | 9g(取付ネジ、ナット含まず) |
アーム高さ調整範囲 | 42~47mm(キャビネット面からアームパイプ中心まで) |
ヘッドコネクター | EIA規格4Pコネクター |
アームリフター | オイルダンプ式 |
出力コード | 低容量コード |
<カートリッジ部> | |
型式 | MM型ステレオカートリッジ |
品名 | DL-8 |
出力電圧 | 3mV(1kHz、50mm/s、水平方向) |
左右感度差 | 2dB以内(1kHz) |
左右分離度 | 20dB以上(1kHz) |
コンプライアンス | 8x10-6cm/dyne |
針先 | 16.5ミクロン(0.65mil)丸ダイヤモンド針 |
針圧 | 2±0.3g |
再生周波数範囲 | 20Hz~30kHz |
自重 | 約5.7g |
適合負荷抵抗 | 約50kΩ |
適合負荷容量 | 約100pF |
交換針 | DSN-37(0.65mil丸ダイヤモンド針) |
<総合> | |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 9W |
外形寸法 | 幅485x高さ170x奥行405mm(ダストカバー閉時) |
重量 | 9.6kg |