オーディオの足跡

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DCD-SA1の画像
 解説 

Advanced AL24 Processingを搭載した最上位モデルにあたるCD/SACDプレイヤー。

PCM信号(CD/デジタル)の再生系に新開発のAdvanced AL24 Processingを搭載しています。
この回路は従来のbit拡張技術であるAL24 Processing Plusに加え、独自の高速信号検出・処理技術で時間軸領域での情報量を大幅に向上させたものです。16bitの元情報から24bitへのデータ拡張に加え、さらにDSPやFPGAといった大容量の演算処理デバイスを用いた独自開発のアルゴリズムによって時間軸上でのデータ補間、アップコンバートサンプリングによってオリジナルデータを損なうことなくよりきめ細かい自然な補正処理を行います。
また、デジタルフィルターもより適応性を広げ、リンギングの無いパルス応答をはじめ、パルシブな楽音データやアタック音に対しても最適なフィルタリング演算処理を行います。これにより音楽の持つ微妙なニュアンスや演奏者の位置、演奏会場(ステージ)の広さや高さ、奥行きといった空間情報をより自然に再現しています。

メカニズムにはオリジナルのドライブメカを採用しており、それらの制御(信号処理、駆動回路とファームウェア)も全て自社開発することで高い信頼性を確保しています。
DCD-SA1では、ディスクが高速回転するSACD再生時にも対応するため高寿命のブラシレスモーターを採用しており、モーターシャフト長を極めて短くして振動を抑えることで高回転に耐える性能を確保しています。
また、レーザービームをディスクへ照射させた時の光軸のズレやピックアップメカベースの機械的平面度、ブラスレスモーターシャフトの機械的傾きなど、各々のバラつきを全て吸収するため、全数スキュー調整(傾き補正)を行い、最適な信号再生とプレイアビリティを実現しています。
ローダーメカには防振塗料や金属プレートによるハイブリッド防振構造のS.V.H.ローダーを採用しており、メカベースフローティングの最適設計によって安定したディスクドライブを実現しています。

マスタークロックには発振精度±1ppm以下(常温)という従来機種より高精度な発振器を採用しています。
回路ブロックをモジュール化することで基板パターンなどの負荷容量等の影響を抑え、一般的な水晶振動子に比べて極めて安定した発振出力を得ています。
また、クロック基板上のパターン配線の引き回しや、各ICへの供給方法などノウハウを注ぎ込んだ高精度設計が行われており、特にクロックとDACの物理的な距離を短くし、DACを中心とした内部発振でなkれば得られないクロックデザインを行っています。これによりジッターノイズの影響を抑え込んでいます。
さらに、DACをマスターとしてPCM及びDSDデコーダーLSIをスレーブ動作させており、精度の高いクロックを生成してD/A変換を行っています。

D/A変換部には4DAC構成を採用しており、2チャンネル用のデバイスを片チャンネルに使用し、差動出力回路を構成しています。そして、D/AコンバーターからHOTとCOLD各々に独立させることで完全差動バランス回路を実現しています。
D/Aコンバーター出力後にオペアンプによって位相を反転させる方式とは異なり、HOT/COLD間の遅延が生じず、歪や音質にとって理想的な回路構成となっています。
Unbalance出力回路においても差動ドライブ回路構成としています。

電源トランスの防振対策を徹底するため、トランスベースから電源トランスまで三重のフローティング構造を採用しています。
まず、アルミ砂型鋳物のトランスベースのシャーシ取付部には共振周波数の異なる4種類の緩衝材を組み合わせており、広い周波数帯域の振動伝達を抑制しています。そしてトランスベースとトランスケースの間は固定ネジをフッ素系樹脂製ワッシャーと緩衝材でフローティングさせ、さらに電源トランス自体はケース内部で特殊充填材によってフローティングされています。特にこのトランスの充填についてはトランス自体がケースに触れないよう二段階に分けて時間をかけて行っています。
さらにトランス本体にはハイグレードのコア材及びOFC巻線を採用しており、デジタル用とオーディオ用のトランスのフラックスを互いにキャンセルする配置とすることでS/Nやエネルギー感を向上させています。

外部振動の影響な内部の微細振動による音質への影響を抑えるため、4層底板構造や鋳鉄製インシュレーター、ハイブリッド構造のパネル、基板の防振設計などを採用しています。
シャーシの底板には平板シャーシを4層に重ねてシャーシの持つ面方向の共振成分を封じ込めることで高い剛性を確保しています。
鋳鉄製インシュレーターの鋳鉄には音質チューニングにより決定したデノン独自の炭素含有量を指定しており、さらに特殊緩衝材と天然繊維を底板との間に挟み込むことで床面からの振動の影響を広い周波数帯域で抑えています。
さらに筐体を構成するサイド、トップ、リアの各々のパネルごとに振動解析を行い、部品個々の共振周波数を抑えるため異種部材を組み合わせた制振構造としています。特に天板は二重分割構造として振動モードを複雑化し、それ自体でも共振しにくい構造としています。
基板の防振対策については、シャーシと基板の間にフッ素系樹脂によるフローティングを行うことで微細振動が伝わるのを抑えています。

デジタル入力端子を搭載しており、D/Aコンバーターとしても使用できます。
デジタル入力信号はサンプリング周波数192kHzまで対応しており、Advanced AL24 Processingによる高品位D/Aコンバーターとして楽しめます。

Pure Directモードを搭載しています。
このモードはディスプレイとデジタル信号出力をOFFにする機能で、ディスプレイ駆動回路のハイパルス信号をOFFにすることでオーディオ回路への悪影響を抑えています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
DCD-SA1のリモコンは販売時期によって2種類のバリエーションがありました。発売した2004年のカタログではRC-992が記載されており、2005年2月のカタログではRC-997に差し替えられています。

機種の定格
型式 CD/SACDプレイヤー
<オーディオ特性>
信号方式 SACD:1ビットDSD
CD:16ビット・リニアPCM
サンプリング周波数 SACD:2.822MHz
CD:44.1kHz
チャンネル数 2チャンネル
周波数範囲 SACD:2Hz~100kHz
CD:2Hz~20kHz
周波数特性 SACD:2Hz~50kHz -3dB
CD:2Hz~20kHz
SN比 SACD:117dB(可聴帯域)
CD:120dB
ダイナミックレンジ SACD:110dB(可聴帯域)
CD:100dB
高調波歪率 SACD:0.0005%(1kHz、可聴帯域)
CD:0.0015%(1kHz)
ワウフラッター 測定限界以下
アナログ出力 Unbalance:2.0V/10kΩ
Balance:2.0V/10kΩ
デジタル出力 CDのみ
Coaxial:0.5Vp-p/75Ω
Optical:-15~-21dBm
発光波長:660nm
デジタル入力 フォーマット:Digital Audio Interface
Coaxial:0.5Vp-p/75Ω
Optical 発光入力:-27dBm以上
発光波長:660nm
消費電力 30W
外形寸法 幅434x高さ150x奥行410mm
重量 21.8kg
付属 リモコン RC-992(2004年)、RC-997(2005年以降)
オーディオコード
ACコード