
DENON DCD-S10III
¥220,000(1999年9月発売)
解説
AL24Processingを搭載したCDプレイヤー。
独自のアナログ波形再現技術であるAL24 Processingを搭載しています。
AL24 Processingは従来のALPHA Plocessingの技術を継承しており、より量子化歪みを低減し、次世代メディアのハイビット化とハイサンプリング化に対応しています。
AL24Processingでは演算処理精度を大幅に向上させ入力された16ビットデジタルデータを24ビットのクオリティで再現しており、さらに96kHzのサンプリング周波数にも対応しています。24bitのクオリティでの再現が可能になったことで音楽が静かに消えていく瞬間や無音から始まる瞬間などの低レベル再生時の音楽再生能力を高めています。
D/A変換部にはマルチ24bit D/Aコンバーターを採用しています。
マルチ24bit D/Aコンバーターは電源電圧(電流)の変動による影響を受けにくく、また帯域内量子化歪みレベルが周波数に関わりなく一定しているため、ノイズの少ないクリアな再生を可能にしています。
DCD-S10IIIではこのD/Aコンバーターを片チャンネル毎に2個ずつ差動動作で使用する4DAC構成としており、原理的にゼロクロス歪を無くすΛS.L.C.と相まって微小信号まで優れた音を実現しています。
メカニズム部とトランス部には振動減衰特性に優れた鋳物ベースを採用しており、振動源であるメカニズム部とトランス部からの振動による音質への影響を抑えています。
また、構造定期安定度の高いセンターメカマウントの採用や駆動メカニズムから回路への振動の影響を抑えるメカカバー、振動吸収材を貼りつけた焼結合金製の大型インシュレーター、15mm厚フロントパネル、三重構造のボトムカバーと二重構造のトップカバーを採用しており、内部・外部からの振動による音の劣化を徹底して排除しています。
さらにシャーシには銅メッキを施し、高周波ノイズの干渉も防止しています。
トレイ部にはプロテインを配合した防振性の高い塗料を採用しています。また、制振性に優れた軽量・高剛性アルミダイカストシャフト受けや、トレイの微妙な変形を防ぐトレイ下部のプレート装着などにより安定した回転の確保と振動の吸収を実現しており、高精度な信号読取りを可能にしています。
HDCDデコーダーを搭載しており、HDCD対応ディスクを再生する際に特長である高解像度、低歪の特性を引き出すことが出来ます。
外部デジタル入力端子を光・コアキシャル各1系統備えており、単体のD/Aコンバーターとしても使用できます。
デジタル入力はDVD等の96kHz/24bitのデジタル信号にも対応しています。また、本体のSourceセレクターによってデジタル入力の切替が行えるためデジタルセレクターとしても使用できます。
ピックアップ部には高性能ピックアップを採用しています。
このピックアップはパーツ点数を最小限に抑えたシンプルな構造にすることでトレース精度や信頼性、耐久性を向上させています。
S.V.H.ローダーの優れた防振性とも相まって高精度な信号の読取りを実現しています。
デジタル部とアナログ部のそれぞれの回路だけでなく、トランスや基板もセパレート化しており、デジタル信号の影響による音質劣化を徹底して防いでいます。
さらにデジタル系をコンパクトにまとめることでアナログ系への干渉を最小限に抑えています。また、導電率が高い銅メッキシャーシの採用によって電磁波の音への影響も抑えています。
デジタルサーボを搭載しています。
この回路ではディスクのコンディションを検出して調整することで、1枚1枚のディスクに最適なサーボコントロールを実現しています。
OFC線材を用いた着脱タイプ極太電源コードをはじめ、D/AコンバーターなどのIC、抵抗、コンデンサー、配線材に至るまで厳選したパーツを使用しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
D/A変換部方式 | リアル24bit ΛS.L.C.(4DAC) |
フィルター | 24bit 8倍オーバーサンプリングデジタルフィルター+GIC3次アナログフィルター |
周波数特性 | 2Hz~20kHz |
SN比 | 118dB |
ダイナミックレンジ | 100dB |
全高調波歪率 | 0.0018%以下 |
チャンネルセパレーション | 110dB |
アナログ出力電圧 | Fixed:2.0±0.3V/10kΩ Variable:0~2.0V/10kΩ |
消費電力 | 20W |
外形寸法 | 幅434x高さ135x奥行350mm |
重量 | 14.0kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |