解説　

ALPHAプロセッサーや砂型鋳物極厚シャーシなど、DENONの持てる技術を投入して開発されたCDプレイヤー。

独自のアナログ波形再現技術であるALPHAプロセッサーを搭載しています。
CDなどに記録されているデジタルデータからその音が自然界に存在した時の音に近づけるようデジタルデータの補間を行い、16ビットデータを20ビットクオリティで再現しています。
また、録音時に不要帯域をカットした音楽データやテストCDのパルスデータなど記録方法が異なるCDをかけた場合においては、入力信号を判断して遮断帯域を自動的に可変する適応型デジタルフィルター(Automatic Low Pass filter Harmonic Adjustment)として機能します。
この回路によってデジタル化の宿命であって量子化歪の低減を実現しています。

D/A変換部にはΛ(ラムダ)S.L.C.を搭載しています。
D/Aコンバーターには超高精度20ビット電流加算型DACを2個差動配置することで原理的にゼロクロス歪が発生しないDENON独自のラムダプロセッサーを搭載しています。さらに高精度化を図ることで微細な音楽情報を高純度な信号へと変換することを可能にしています。

ボトムシャーシにはダイカストに比べてストレスが少なく振動の減衰が速い砂型鋳物を採用しています。また、シャーシフレームの両脇には厚さ平均6mmのアルミ押出材を用い、防振に理想的な筐体構造を実現しています。
さらに、大重量及び低重心構造によって共振や特定の周波数のみが伝播する弊害を防止しています。

インシュレーターには焼結合金とアルミニウムの異種金属の複合材を採用しており、振動を熱に変換して音質への影響を排除しています。

メカニズム部にはトップローディング構造を採用しており、振動を起こしやすいトレイ部を排除しています。また、ドア開口部には空気の侵入を防ぐ特殊エアシールドを施し、ドアには外来光をシャットアウトするためアルミ押出材を使用するなどの対策がされています。

ピックアップベースは砂型鋳物製となっており、オイルダンパーとスプリングによる2重構造で揺れ戻しを吸収しています。
さらに、ピックアップメカを支えるメカプレートもフローティングしており、3重の防振構造とすることで音質への悪影響を排除しています。

トランスとピックアップメカニズムユニットをセンターに配置し、基板は電源部とオーディオ部、デジタル部をそれぞれ分離し、理想的なウェイトバランスを実現しています。

ターンテーブルのモーター部には高トルクコギングレスモーターを開発・採用しています。
モーターの軸座には硬度が高く摩擦係数の少ないルビーの板を採用しており、安定した駆動でピットの読取り精度を高めています。

ディスク全面をホールドする削り出しの大口径スタビライザーを採用しています。
ディスク全面をホールドすることで共振を抑え、読取り信号のジッターの発生を防止しています。また、スタビライザーが生み出す大きな慣性によって極めて安定した回転を獲得し、読取りジッターマージンを向上させています。

ピックアップ駆動にはリニアモーター駆動を採用しています。
ギアを用いず無接触で浮動するリニアモーター駆動によってピックアップの微小送り分解能を向上しています。

デジタル入力としてTos-Linkと同軸の2系統を搭載しており、D/Aコンバーターとしても使用できます。

デジタル出力はTos-Link、BNC、平衡型ライン(AES/EBUバランス伝送)XLRの3系統を搭載しています。

ダイレクト選曲、プログラム選曲、リピート演奏、マニュアルサーチ、オートマチックサーチ、インデックスサーチなどの機能を搭載しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
このリモコンでは選曲やリピート、サーチ機能などのほか、エアタイトドアのオープン/クローズやディスプレイディマーなどの操作が可能です。

機種の定格

型式	CDプレイヤー
D/A変換部方式	リアル20ビット4DACラムダスーパーリニアコンバーター
フィルター	8倍オーバーサンプリングデジタルフィルター+GIC3次アナログフィルター
周波数特性	2Hz～20kHz
SN比	120dB
ダイナミックレンジ	100dB
全高調波歪率	0.0015%(1kHz)
チャンネルセパレーション	110dB(1kHz)
デジタル入力	光出力:1系統 同軸出力:1系統
デジタル出力	光出力:1系統 同軸出力:1系統 バランス:1系統
アナログ出力電圧	Balance/Unbalance:2.5±0.3V/10kΩ
電源	AC100V、50Hz/60Hz
消費電力	27W
外形寸法	幅434x高さ164.5x奥行395mm トップローディング時:高さ315mm
重量	20kg
付属	ワイヤレスリモコン