
DENON DCD-800
¥49,800(1988年発売)
解説
上級機の技術を投入したCDプレイヤー。
D/A変換部にはWスーパーリニアコンバーターを採用しています。
DCD-800ではスーパーリニアコンバーターとダブル・サンプリングホールド方式で構成されています。一般にD/Aコンバーターは16組の精密な抵抗で構成されており、その抵抗値の僅かな誤差が変換歪となり、音質劣化の要因となります。そこでスーパーリニアコンバーターでは変換誤差を外部からの重みづけ電流の調整で補正しており、ゼロクロス歪を徹底的に排除しています。また、D/A変換器には米国バーブラウン社特製のICを採用しています。
さらに、ダブルサンプリングホールド方式ではサンプリングホールド回路の数を左右チャンネルで変えることで左信号を右信号に揃え、チャンネル間の時間差や位相差を解消しています。
デジタルフィルター4倍オーバーサンプリングデジタルフィルターを採用しており、直線位相FIR型回路によって標準サンプリング周波数の4倍の176.4kHzの出力を得ています。これにより不要な高周波雑音を高域に移しています。
また、アナログフィルターにはロスと歪の少ないLC-OFC線輪のチェビシェフ型4次ローパスフィルターを組み合わせ、優れた遮断特性と位相特性を改善しています。
ピックアップ部には3ビーム光ヘッドを採用しています。また、信号処理には新型LSIを採用しており、でj値ある部からオーディオ部へのデジタルノイズ干渉を低減しています。
ピックアップはフルフローティングされており、さらに特殊ダンパー構造でフローティング構造を強化しています。また、絞り加工のボトムプレートや大型インシュレーター、4点止めトップカバーなどによって防振対策が施されています。
アンプ部にはDCアンプ構成を採用しています。
また、ヘッドホン出力にも専用DCアンプを搭載しています。
固定と可変の2系統のオーディオ出力端子を搭載しています。
可変出力はリモコンで調節ができ、最大音量からの低減量を約2秒間ディスプレイの秒表示部分に表示します。また、電源ON当初は-20と表示され、約1/30にセットされています。
オートスペース機能を搭載しており、曲間無音部を約4秒に自動編集できます。
オートエディット機能を搭載しています。
この機能では、ディスクをいれたストップ状態でオートエディットキーを押すと、ほぼ半分にわけた前半の演奏時間の合計と曲数を約2秒間表示し、次に後半を同様に表示したあと、トラック1の曲の頭でポーズ状態となります。
前半の演奏が終わると後半最初の曲の頭で自動的にポーズとなり、CDからテープへの録音で活用できます。
ディエンファシス回路を搭載しており、プリエンファシスCDにも対応しています。
大型FL管を用いたディスプレイを搭載しています。
20曲プログラム選曲機能を搭載しています。
演奏中の曲や前後の曲の頭出しに便利なオートサーチや、マニュアルサーチを搭載しています。
全曲やプログラム曲のリピートが可能です。
ヘッドホン端子にはボリュームを装備しています。
タイマー接続が可能です。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
D/A変換方式 | Wスーパーリニアコンバーター(ダブルサンプリングホールド方式) |
フィルター | 4倍オーバーサンプリングデジタルフィルター LC-OFC高精度アナログフィルター |
周波数特性 | 4Hz~20kHz |
SN比 | 99dB |
ダイナミックレンジ | 95dB |
全高調波歪率 | 0.004% |
チャンネルセパレーション | 90dB |
チャンネル間位相差 | 10゜以内 |
出力電圧 | 固定:2V(10kΩ負荷時) 可変:2V(10kΩ負荷時、リモコン) |
ヘッドホン端子 | 最大出力15mW(32Ω負荷時、Vol付き) |
ピックアップ | 3ビーム、2次元平行、対物レンズ駆動方式(リニアモータードライブ) |
ピックアップ光源/波長 | 半導体レーザー/780nm |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 11W |
外形寸法 | 幅434x高さ99x奥行315mm |
重量 | 4.1kg |
付属 | ワイヤレスリモコン RC-203 |