
DENON DCD-6.5L
¥40,000(1999年頃)
解説
スーパーリニアコンバーターを搭載したCDプレイヤー。
D/A変換方式にはΛ(Lambda)S.L.C.を搭載しています。
ラムダとは新方式Ladder-form Multiple Bias D/Aの略で、新開発のLSIを用いてデジタルデータを2系統に分けてそれぞれゼロクロス点付近に+と-方向にデジタルバイアスをかけてシフトすることで、原理的にゼロクロス歪を排除しています。
小音量時などの再生するデジタルデータがこのシフト量より小さい場合は、元のゼロクロス点を横切る値が無いためゼロクロス歪は発生しません。そしてシフトした2つのデータをD/A変換してから加算することで直流分が除かれて合成され、ゼロクロス歪の全く無いアナログ出力が得られます。この2つのデータはMSBの反転が無く合成された波形にもゼロクロス歪がありません。また、どこかのビットに誤差があっても2つの信号の平均によって歪は1/2に減少します。
再生デジタルデータがシフト量を越える大きさのレベル場合は本来のゼロクロス点を横切ることになるため歪が発生する可能性があります。しかし、この時はS.L.C.のMSB補正によって除去することができます。
楽曲1曲中に全く無いか、あったとしても数回しかない一瞬のピークレベル時(最大レベルの約99.6%以上)にはラムダはシフト演算を止めます。これによりコンバーターのダイナミックレンジを最大限に使って広ダイナミックレンジを確保しています。
D/A変換部は左右独立D/Aコンバーター方式によって左右のステレオ信号の時間差を排除しています。
デジタルフィルターには8倍オーバーサンプリングデジタルフィルターを搭載しています。
さらにノイズシェーピングを搭載しており、20ビット8fsデジタルフィルター出力の丸め誤差成分だけをフィードバックして次に来るデータから差し引き、可聴帯域内の再量子化歪みを低減しています。これによりコンバーターのビット数を増加させることと同等の効果を発揮しています。
光デジタル出力端子を搭載しています。
ランダムプレイや20曲プログラム、A-B間リピートなどの演奏機能を搭載しています。
また、DMD-7.5LやDRR-7.5Lとの組み合わせでシンクロ録音などの機能が行えます。
PRESTA-7.5L/6.5Lシリーズとの組み合わせでシンクロ録音やタイマー再生、オートファンクション、オートパワーオンなどのシステム機能が行えます。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
D/A変換部方式 | ラムダスーパーリニアコンバーター |
フィルター | 8倍オーバーサンプリングデジタルフィルター |
周波数特性 | 2Hz~20kHz |
SN比 | 106dB |
ダイナミックレンジ | 96dB |
全高調波歪率 | 0.003%以下 |
チャンネルセパレーション | 100dB |
アナログ出力電圧 | 2.0V/10kΩ |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 10W 約4W(スタンバイ時) |
外形寸法 | 幅250x高さ112x奥行350mm |
重量 | 3.5kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |