
DENON HA-1000
¥65,000(1977年頃)
解説
MCカートリッジ用に設計されたヘッドアンプ。
HA-1000は電源部が独立したセパレート電源方式を採用しています。
さらに本体には珪素鋼板による磁気シールドを施し、あらゆる条件下でヘッドアンプの性能を発揮できるよう考慮しています。
SN比を最も左右する入力初段には電圧性雑音に有利なPNPタイプの低雑音トランジスタを8本パラレルに使用しており、低雑音化を図っています。
初段に使用されているトランジスタは現状で極限とも言える、電流雑音が少なく、かつ1個あたりの電圧性雑音レベルが-147.5dB(V)のPNPトランジスタを使用しています。
2段目以降はトランジスタの特性のバラつきの影響が小さく、安定した深いNFBをかけることを主眼に設計されており、2段目は特殊カレントミラー型差動回路とすることで高利得を得ています。
さらに終段はA級増幅でダイナミックレンジが広く、出力インピーダンスが低いダーリントンコンプリメンタリー・エミッターフォロワー回路を構成しています。
HA-1000の電圧利得はMCカートリッジ2段(32dB、24dB)とMMカートリッジ(0dB、PASS)の3段に切り換えられます。
PASSの際には入力端子は出力端子に直結し、完全にアンプ回路をジャンプします。
市販MCカートリッジの中には出力インピーダンスが100Ω程度のものがあります。この場合、若干インダクタンスの影響が出てきてしまいます。このためHA-1000では入力インピーダンスを100Ωとし、トーンアームコードやヘッドアンプ入力のキャパシタンスによる高域周波数特性のアバレを抑えています。
スイッチ切換時の不要雑音を防止するミューティング回路を内蔵しています。
ハイカットフィルターを搭載しています。
機種の定格
型式 | MCヘッドアンプ |
入力インピーダンス | 100Ω |
電圧利得 | 32dB/24dB/MM(Pass) |
最大出力レベル | 3Vrms |
入力換算ノイズレベル | -157dB(V)(RIAA・EQ+IHF-A、入力短絡) |
周波数特性 | 8Hz~600kHz +0 -1dB |
高調波歪率 | 0.008%以下(0.3V出力時) |
混変調歪率 | 0.008%以下(0.3V出力時、60Hz:7kHz=4:1) |
クロストーク(1kHz) | -70dB以下 |
ハイカットフィルター | 100kHz、-6dB/oct |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 10W |
外形寸法 | アンプ部:幅125x高さ68x奥行292mm 電源部:幅107x高さ65x奥行141mm |
重量 | 本体:1.8kg 電源部:1.4kg |
付属 | 金メッキプラグ付き低容量出力コード |