DENON DP-5000F
¥78,000(1974年7月発売)
解説
DP-5000をベースに信頼性や使いやすさを高めたターンテーブル。
回転スピードの検出は、ターンテーブルの内側に抗磁力の大きな材料で磁気コーティングを施し、これにパルス間隔誤差1/10000の精度で記録した2000個のパルス信号を磁気ヘッドで検出する方式を採用しています。
この方式により、33・1/3 rpmのスピードにおいて、検出するパルスの周波数は約1100Hzが得られます。この周波数は他の方法と比較して10倍以上で、周波数-電圧変換回路にある積分回路の時定数を大幅に小さくすることができます。このため、高い周波数領域におけるサーボ・ループの位相遅れを少なくすることができ、ループゲインを高めても安定したサーボをかけることが可能です。
電圧に変化された検出信号は、基準電圧と比較され、その差の電圧でモーターの駆動電圧をコントロールしてサーボを行っています。
ターンテーブルには、重量1.1kg、慣性モーメント160kg・cm2の軽量ターンテーブルを採用しています。これにより、軸受けの負担を軽くし、長期間にわたって安定した性能を保ちます。
サーボ回路は、ループゲインを高めている他に、温度補償を十分に行い、直流安定化電源を内蔵しているため、電源の周波数や電圧の変動、温度変化や針圧などの負荷条件の変化に対しても、安定した回転を実現しています。
駆動部には回転の滑らかなソリッド・ロータ型ACサーボモーターを採用しています。このモーターは他の同期モーターやDCモーターに比べ、滑らかで振動の少ない回転特性を持っており、さらに綺麗に波形整形した交流で駆動することで、ランブルを低減しています。
スピード微調選択ボタンは、バリアブルの状態で±6%のスピード調節が可能です。
電源ランプに発光ダイオードを使用しています。
機種の定格
型式 | ターンテーブル |
駆動方式 | サーボ式ダイレクトドライブ |
モーター | ソリッドロータ形2相トルクモーター |
スピード制御 | 周波数検出によるサーボ |
回転数 | 33・1/3、45rpm |
スピード切換機構 | 電気的切換 |
起動時間 | 1.2秒(1/3回転、33・1/3rpm) |
ワウ・フラッター | 0.025%wrms以下(テストレコードによる) |
モーターボード | アルミダイキャスト |
SN比 | 60dB以上 |
ターンテーブル | 30cmアルミダイキャスト、1.1kg |
慣性モーメント | 160kg・cm2 |
回転数調整範囲 | Variable時±6% |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
外形寸法 | 本体部:幅370x高さ139x奥行374mm ラジエータ部:幅270x高さ49x奥行70mm |
重量 | 6.8kg |