
DENON DP-1000
¥33,000(1974年11月発売)
解説
DP-3000のデザインイメージを継承しつつ外観をコンパクト化し、基本性能を維持しながら各部の簡素化とコストダウンを図ったターンテーブル。
駆動方式にはダイレクトドライブ方式を採用しています。
ダイレクトドライブ方式ではベルトドライブ方式やアイドラドライブ方式のように回転伝達機構が無いため、それらに起因するワウフラッターやランブルがありません。また、摩耗部分が少ないため安定した性能を長期間維持できます。
サーボ回路にはDENONの局用プレイヤーで開発した磁気記録再生方式によるスピード検出機構を採用しています。
この方式ではターンテーブルのリムの内周にコーティングされた磁性体に特殊な方法によって記録波長誤差0.01%以下の高い精度で1000個のパルス信号を記録し、それを近接した磁気ヘッドで検出します。そして、復調回路でターンテーブルの回転スピードに比例した電圧に変換します。これを規定スピードに対応させた基準電圧と比較し、その差電圧によってモーターのトルクを制御して差電圧がゼロになるようにサーボすることでターンテーブルを規定スピードに保つようにしています。
また、スピード検出信号は精度が高いだけでなく、周波数が他方式と比べて高い(500Hz以上)ため、サーボ系の利得を上げても安定であり、回転ムラの領域まで応答が速く安定したサーボをかけることができます。
駆動モーターにはダイレクトドライブ用に開発したソリッドローター型ACサーボもオーターを採用しています。
このモーターはDP-3000に搭載したものと同じもので、他の同期モーターやDCモーターに比べて滑らかで振動の少ない回転特性を持っています。さらにモーターの駆動波形にも考慮をはらっており、ランブルが殆ど無く、SN比は60dB以上が得られます。
スイッチにはカムを用いたスライド方式を採用しています。
回転スピードの切換はスイッチで回路の定数を変えて行っています。このスピード選択スイッチは電源スイッチと連動しており、ワンタッチ操作でスピードの選択と電源のON/OFFが可能です。
スイッチにはカメラに使われている特殊高級グリスを採用しています。
わかりやすい内蔵ストロボとストロボシャッターを搭載しています。
機種の定格
型式 | ターンテーブル |
駆動方式 | サーボ式ダイレクトドライブ |
モーター | ソリッドローター形ACトルクモーター |
スピード制御 | 周波数検出による電圧サーボ |
回転数 | 33・1/3、45rpm |
スピード切換機構 | スライドスイッチ切換(電気的切換) |
起動時間 | 1.8秒以下(1/2回転、33・1/3rpm) |
ワウ・フラッター | 0.03%wrms以下(テストレコードによる) |
モーターボード | アルミダイキャスト |
SN比 | 60dB以上 |
ターンテーブル | 30cmアルミダイキャスト、1.1kg |
慣性モーメント | 160kg・cm2 |
回転数調整範囲 | ±3% |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 11W |
外形寸法 | 幅356x高さ132x奥行356mm |
重量 | 6.8kg |