DENON DL-109R
¥18,000(1976年頃)
解説
DL-107をベースに発展させたMM型カートリッジ。
DL-109には針先によってDL-109DとDL-109Rの2種類のバリエーションがありました。
DL-109の構造は基本的にDL-107のように円盤状マグネットとE字型コアで磁気回路で構成されており、新たに4コイル12ポールを採用し、ダブル・プッシュプル方式としています。これによりコアに発生する磁性の直線性に優れた領域を2つの直列についだことになり、直線性の拡大と歪の低減を実現しています。また、マグネットの磁力線を無駄なく利用しているので高感度となっています。
また、1つのコアでコイルの巻線を2倍にすると出力インピーダンスが4倍になりますが、この方法では2倍で済み、誘導雑音や高域の周波数特性に有利となっています。
カンチレバーは肉厚0.025mmという薄さで剛性が高い特殊軽合金パイプをテーパー状にすることで、超高域にいたる諸特性を向上させています。
また、振動系を支える支持部に一点支持方式を採用することでステレオ再生に不可欠な上下・左右方向だけに均一な自由度が得られ、有害な振動に強いという特長を得ています。
マグネットにはサマリウムコバルト系マグネットを使用しており、振動系全体の軽量化と高出力化を図っています。
針先には曲面半径0.65ミル=16.5ミクロンの丸針を使用しています。
機種の定格
| 型式 | MM型カートリッジ |
| 出力電圧 | 3.0mV(1kHz、5cm/s、水平方向) |
| 再生周波数範囲 | 20Hz~35kHz |
| 出力インピーダンス | 2.9kΩ(1kHz、直流2.1kΩ) |
| 適合負荷インピーダンス | 50kΩ、100~200pF |
| チャンネルセパレーション | 25dB以上(1kHz) |
| チャンネルバランス | 1dB以内(1kHz) |
| コンプライアンス | 9x10-6cm/dyne(100Hz、レコードで測定) |
| 針先 | ソリッドダイヤ丸針 曲率半径16.5ミクロン(0.65ミル) |
| 適正針圧 | 1.8±0.3g |
| 自重 | 約7.5g |
| 針交換 | DSN-36(¥9,000/1978) |
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