DENON DL-1000A
¥100,000(1982年発売)
解説
DENONカートリッジのフラッグシップモデルとして開発されたMCカートリッジ。
DL-1000AではDL-1000の後継機としていくつかの変更が加えられており、外観はボディのモールド部分がメッキに変更されています。
また、コイルの線材が変更されています。
カンチレバーにはニューアモルファスボロンカンチレバーを採用しており、振動系の軽量化を図っています。
これはDL-305やDL-207にも採用されたアモルファスボロンカンチレバーをさらに強化したもので、外径0.3mm、厚さ0.023mm、長さ4mmのカンチレバーとなっています。
世界最小のマイクロスタイラスチップとして、DL-303やDL-305に採用されたものの約1/2に相当する0.06mm角のものを採用しています。
発電コイル巻き枠にはDENONオリジナルの十字形状を継承しています。
十字形巻枠は質量の軽減ができ、さらに左右チャンネルの発電コイルを独立して対称に巻くことが出来るため、振動時の動的バランスが良く左右チャンネルの感度差が少なく、揃った特性が得られるという特長を持っています。コイル線材はDL-1000では純アルミ線でしたが、DL-1000Aでは極細の銅線に変更されています。
DENON独自の2ウェイダンパーを採用しており、振動系の実効質量の低減による広帯域化と相まって110kHzまでフラットな周波数特性を実現しています。
マグネットにはサマリウムコバルト系マグネットを採用しています。
フレーム部には無共振化された堅牢なフレームを採用しています。
磁気回路と出力端子を含めたフレームをガラス繊維入り硬質樹脂と軽金属ベースで構成しており、軽量かつ強固なフレーム構造を実現しています。
DL-1000Aにはベルベット貼りのケースが付属しています。
このケースはシェル付きカートリッジを5本収納する事が可能です。また、DL-1000Aが取り付けられている台は取り外した後はオーディオスタビライザーとして使用できるデザインとなっています。
機種の定格
型式 | MC型カートリッジ |
出力電圧 | 0.12mV |
再生周波数範囲 | 20Hz~110kHz |
出力インピーダンス | 33Ω |
チャンネルセパレーション | 30dB以上 |
コンプライアンス | 20x10-6cm/dyne |
針先(チップ) | 0.06mm角ソリッドダイヤ特殊楕円針 |
適正針圧 | 0.8±0.1g |
自重 | 約6.0g |
針交換 | ¥60,000 |