
DENON DA-307
¥35,000(1978年頃)
解説
ダイナミックダンピング機構を採用したトーンアーム。
アーム鳴きとハウリングの影響を抑えるためダイナミック・ダンピング機構を採用しています。
この方式ではトーンアームのボディとパイプ間に適当な粘性を有するダンパーゴムを挿入した構造となっています。これにより従来解決することが難しかった振動的な問題を効果的に改善しています。
ダイナミックダンピング方式ではプレイヤーのキャビネット等から伝わる振動雑音を受けにくく、使用カートリッジの再生音に色付けすることが少なくなり、カートリッジ自体のキャラクターを引き出しています。また、スピーカーからの音圧などに対しても効果的なフィルター作用を持つためトーンアームを構成する各パーツの固有振動が軽減されています。
無接触式のインサイドフォースキャンセラーを搭載しています。
この機構は回転ドラムと磁石の間隔に応じて吸引力を変化させることでインサイドフォースをキャンセルしています。この方式は無接触構造なのでトーンアームの性能を損なわず、レコード状のカートリッジの針先位置によるインサイドフォースの変化に追随できるので適正なアウトサイド・フォース量を得ることができます。
また、ワンタッチでキャンセル機能をOFFにすることもできるため、ゼロバランス調整時にも問題になりません。
針圧調整にはマイクロメーター式を採用しています。
回転軸受部の水平回転軸受には高級ミニチュアボールベアリングを採用しており、長期間にわたる高感度・高信頼性を得ています。また、上下可動部にはアンギュラ型ミニチュアベアリングと焼き入れ処理を施した上で研磨仕上げをしたピボットを使用しており、高感度と安定を実現しています。
また、軸受部は特殊弾性体によって保護されており、外部振動からの影響を低減しています。
カートリッジとの接続部には金メッキ端子を採用しており、信頼性を向上させています。
ヘッドシェルにはPCL-5を採用しています。
このヘッドシェルはマグネシウム合金ダイカスト製で比重はアルミニウムの約2/3と軽く、剛性は2~3倍となっているため、シェル自体の共振防止に大きな効果を得ています。
新型のオイルダンプアームリフターを採用しています。
出力コードには低容量出力コードを採用しています。
機種の定格
型式 | トーンアーム |
形式 | ダイナミックダンピング、スタティックバランスS字型 |
全長 | 332mm |
有効長 | 244mm |
オフセット角 | 20.5゜ |
オーバーハング | 14mm |
トラッキングエラー | 最大2.5゜ |
針圧調整範囲 | 1回転0~2.5g、0.1gステップ |
適合カートリッジ自重範囲 | 約11~16g(シェル含む) |
付属ヘッドシェル | PCL-5(2個付属) |
ヘッドシェル自重 | 6g |
高さ調整範囲 | 42~70mm(アームボードからパイプ中心まで) |
取付可能ボード厚 | 5~30mm、ワッシャーφ33mm |
出力コード | 低容量コード約1.2m 5極コネクター及びピンプラグ・接地ラグつき |
アームリフター | オイルダンプ式 |
インサイドフォースキャンセラー | マグネチックコントロール方式(解除機構付き) |