DENON PMA-730
¥49,800(1982年頃)
解説
無帰還0dBパワーアンプやスーパーイコライザーを搭載したステレオプリメインアンプ。
無帰還方式はダイレクトディストーションサーボ回路によって実現しています。
このサーボ回路は、出力側から得られる信号(主信号+歪成分)と入力信号を比較して歪成分のみを検出し、この歪成分を位相反転し、入力側に加えます。これにより静的歪が理論上ゼロの領域まで低減されています。
この無帰還方式では、負帰還(NFB)方式のように出力信号を入力側に戻す事が無いため、動的歪が発生せず、スピーカーの逆起電力の影響を受けず、回路がシンプル化・ハイスピード化できるなどの特長を得ています。
低インピーダンスのスピーカーにも対応するため、4Ωのスピーカーまで安心してフルパワー再生ができるよう、電源部や電力増幅段を強化しています。
パワーアンプ部の回路構成は、初段はローノイズトランジスタによる差動2段カレントミラーとし、コンプリメンタリー・エミッターホロワによってローインピーダンス化を図り、電力増幅部と完全に分離させています。
電力増幅段は、高速パワートランジスタのプッシュプル構成となっており、ハイパワー化を図っています。
このパワーアンプの入力部には有害な超低域ノイズをカットするフィルターを内蔵しています。
カートリッジやパワーアンプのワイドレンジ化に対応するためスーパーイコライザーを開発・搭載しており、100kHzの周波数特性を実現しています。
初段はローノイズ・デュアルFETによる差動増幅とし、次段はOPアンプとCR形イコライジングフィルターで構成され、DCサーボ方式で構成されています。
MCカートリッジの性能を発揮するため、MC入力端子から音質を大きく左右する入力コンデンサーを除去するとともに、Rec
outまで完全コンデンサーレスとし、さらに高利得化も施されています。
トーンコントロールやラウドネスコントロール、Rec outセレクターを搭載しています。
高速プロテクション回路を搭載しています。
機種の定格
| 型式 | プリメインアンプ |
| <パワーアンプ部> | |
| 回路方式 | 無帰還0dBパワーアンプ方式 |
| 定格出力(両ch駆動、正弦波連続出力) | 60W+60W(4Ω~8Ω、20Hz~20kHz) |
| 入力感度/インピーダンス | Tuner、Tape、Aux:150mV/47kΩ |
| 全高調波歪率(20Hz~20kHz、定格出力-3dB時) | 0.009%以下 |
| 混変調歪率(60Hz:7kHz=4:1) | 0.005%以下(定格出力相当振幅出力時) |
| TIM歪率 | 測定限界以下 |
| スルーレイト | 150V/μsec |
| 出力帯域幅(IHF、両ch駆動、THD 0.1%) | 5Hz~80kHz |
| 周波数特性(1W出力時) | 4Hz~150kHz +0 -3dB |
| 出力インピーダンス(1kHz) | 0.1Ω |
| 出力端子 | スピーカーAorB:4Ω~16Ω スピーカーA+B:8Ω~16Ω ヘッドホン:230mW/8Ω |
| <プリアンプ部> | |
| 回路方式 | DCサーボによるスーパーイコライザー方式 |
| 入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/47kΩ Phono MC:0.2mV/100Ω |
| 最大出力/定格出力 | 10V/150mV |
| RIAA偏差(MC/MM共) | 20Hz~100kHz ±0.3dB |
| 全高調波歪率 | 0.002%以下(1kHz、8V出力時) |
| <総合> | |
| SN比(IHF-A、入力短絡) | Phono MM:86dB Phono MC:70dB Tuner、Aux、Tape:106dB |
| トーンコントロール | Bass:±8dB(100Hz) Treble:±8dB(10kHz) |
| ラウドネス特性 | 低域:+7dB(100Hz) 高域:+6dB(10kHz) |
| 電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
| 消費電力(電気用品取締法) | 150W |
| 外形寸法 | 幅434x高さ112x奥行390mm |
| 重量 | 9kg |