DENON PMA-2000II
¥100,000(1998年発売)
解説
PMA-2000をベースに改良を施し、音質に磨きをかけたプリメインアンプ。
出力段にはピーク電流120Aという、通常の3~10倍の電流供給能力を持つ大電流型増幅素子UHC-MOSを採用しています。このUHC-MOSをシングルプッシュプル構成で搭載することにより増幅動作のバラツキを解消しています。
電源部には大電流型超高速整流ダイオードを使用し、さらに、PMA-2000に比べコアの積み厚を約20%、巻線断面積を約40%アップし、動作抵抗を大幅に低減した新開発のパワートランスを採用しています。また、電源コンデンサーは、大容量高音質電解コンデンサーと、周波数の異なるプレーン箔コンデンサーを組合わせて搭載し、電流供給能力の向上を図っています。
さらにトランス部には、磁気回路・巻線回路それぞれの特性を大幅に改善するツイントランス並列接続を採用し、磁気などの影響を互いにキャンセルするL.C(Leakage
Canceling)マウントとすることで、アンプ内のノイズ源であるパワートランスのリーケージフラックスを低減し、電源供給能力の改善とローノイズ化を図っています。
Precision Mechanical Ground構造を採用しており、弾性ゴムとラジエータースタビライザーによりダンプされたラジエターを、制振性の高い新開発のFOOTの間近のボトムに直付けすることで、パワートランスなど他の振動源と振動経路の干渉を抑えています。
また、パワートランスの取付けも特殊ゴム・特殊樹脂・鋼板を組合わせたフローティング構造とし、トランスからの振動の影響を低減しています。
さらに、防振対策を施したトップカバー、高い質量で振動を抑止したボリュームノブが採用されています。
定電流回路からのノイズ信号の流入を抑え、信号電流以外の電流をカットするPrecision
Signal Ground回路を搭載しています。
回路間の相互干渉やノイズの流入による音質の劣化を解消するため、パワーアンプブロックを左右独立させたツイン・モノラル構成とし、その他の信号レベルの異なる回路も分離した6ブロック構造を採用しています。
これにより各ブロック間干渉による音質への影響を排除しています。
フォノイコライザー部には、ローノイズFETを使用したディスクリート構成の初段回路を採用しています。
MM/MCどちらのカートリッジにも対応しています。
プリアウト端子を搭載しています。
ベース部分の厚みをPMA-2000に比べ20%アップするとともに黒色アルマイト処理を施す事で、放熱効果を大幅に改善したパワーラジエターや、コントロール系専用トランス、OFC内部配線材、不活性ガス封入型リレー、高音質カーボン抵抗/コンデンサーなど、パーツを厳選して使用しています。
バイワイヤリング対応の大型黄銅削り出しスピーカーターミナルやACインレットタイプの電源コードを採用しています。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
<パワーアンプ部> | |
定格出力(両ch駆動、CD→SP OUT) | 80W+80W(8Ω、20Hz~20kHz、THD 0.07%) 160W+160W(4Ω、1kHz、THD 0.7%) |
全高調波歪率 | 0.01%(定格出力-3dB時、1kHz、8Ω) |
スピーカー出力端子 | スピーカーAorB:4Ω~16Ω スピーカーA+B:8Ω~16Ω バイワイヤリング負荷:4Ω~16Ω |
ヘッドホン | ステレオヘッドホン適合 |
<プリアンプ部> | |
イコライザーアンプ出力 | Rec out:定格150mV |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/47kΩ Phono MC:0.2mV/100Ω Line:140mV/70kΩ(ソースダイレクトオフ) 140mV/30kΩ(ソースダイレクトオン) |
RIAA偏差 | Phono:20Hz~20kHz ±0.5dB |
プリアウト出力 | 1V(CD等ライン系入力、入力信号100mV時) |
<総合> | |
SN比(Aネットワーク、 入力端子短絡) |
Phono MM:91dB(5mV入力時) Phono MC:76dB(0.5mV入力時) Line:110dB |
トーンコントロール | Bass:±8dB(100Hz) Treble:±8dB(10kHz) |
電源コンセント | switched:2系統、合計容量120W unswitched:1系統、容量240W |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 250W |
外形寸法(脚、ツマミ、端子含) | 幅434x高さ180x奥行478mm |
重量 | 22kg |