DENON PMA-1500R
¥68,000(1998年頃)
解説
Sシリーズの技術を継承し、UHC-MOSを搭載したプリメインアンプ。
繊細な表現力とスピーカードライブという相反する問題を解決するため、出力段にピーク電流120Aという、通常の3~10倍の電流供給力を持つ大電流型増幅素子UHC-MOSを採用しています。
UHC-MOSは、電流供給力がバイポーラトランジスタと同等以上に改善され、MOS-FETの音質的なメリットも持つ素子で、シングルプッシュプル構成で搭載することで増幅動作のバラツキを解消しています。
L.C(Leakage Canceling)マウント・ツイントランスを採用しています。
DENONのモノラルパワーアンプPOA-S1で開発された磁気回路・巻線回路それぞれの特性を大幅に改善するツイントランス並列接続を採用しています。また、磁気などの影響を互いにキャンセルするL.Cマウントとすることで、アンプ内のノイズ源となるパワートランスのリーケージフラックスを低減し、高い電源供給能力とローノイズ化を実現しています。
整流回路には、DENONのプリメインアンプPMA-S1で開発された技術を採用しています。
大電流供給能力に優れた大型高速整流ダイオード(ファーストリカバリーダイオード)を使用し、高速・大電流への対応を図るとともに、電源コンデンサーには高音質コンデンサーを使用しています。
回路間の相互干渉やノイズの流入による音質の劣化を解消するため、パワーアンプブロックを独立させた構成とし、さらにその他の信号レベルの異なる回路も分離したブロック構造を採用しています。これにより各ブロック間の干渉による音質への影響を排除しています。
また、高い剛性を確保するため、シャーシは銅板の厚みを吟味して使用し、さらに振動の良くしを徹底するため、パワートランス部にはトランスベースと特殊ゴムを追加しています。
スピーカーターミナルには黄銅削り出しに金メッキ処理を施し、より信頼性の高い接続を可能にしています。
また、ターミナルを2系統搭載し、バイワイヤリングに対応しています。
プリアウト端子を搭載しています。
フォノイコライザー部には、ローノイズFETを使用したディスクリート構成の初段回路を採用しています。
また、スイッチの切替えによりMM/MCのどちらのカートリッジも使用が可能です。
金メッキ端子、カーボン抵抗、コンデンサーなど、信頼性の高いパーツを使用しています。
また、電源インピーダンスを下げるため、インレットタイプの極太電源コードを採用しています。
システムリモコンが付属しており、CD、カセットデッキ、チューナーにも対応しています。
また、リモコン等の制御用回路電源は、独立したパワートランスを装備し、オーディオ回路への干渉を最小とする構成としています。
ゴールドとブラックの2種類のバリエーションがありました。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
<パワーアンプ部> | |
定格出力(両ch駆動、CD→SP out) | 70W+70W(8Ω、20Hz~20kHz) 140W+140W(4Ω、1kHz) |
全高調波歪率 | 0.01%(定格出力-3dB時、8Ω、1kHz) |
出力端子 | スピーカーAorB:4Ω~16Ω スピーカーA+B:8Ω~16Ω バイワイヤリング時:4Ω~16Ω |
<プリアンプ部> | |
入力感度/インピーダンス | Line:150mV/47kΩ(ソースダイレクトoff) 150mV/13kΩ(ソースダイレクトon) Phono MM:2.5mV/47kΩ Phono MC:0.2mV/100Ω |
イコライザーアンプ出力(Rec out端子) | 定格150mV |
RIAA偏差 | 20Hz~20kHz ±0.5dB |
<総合> | |
SN比(Aネットワーク、入力端子短絡時) | Line:110dB Phono MM:91dB(5mV入力時) Phono MC:76dB(0.5mV入力時) |
トーンコントロール | Bass:±8dB(100Hz) Treble:±8dB(10kHz) |
ラウドネス | Bass:+10dB(50Hz) Treble:+5dB(10kHz) |
電源コンセント | switched:3系統、合計120W |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 250W スタンバイ時:約5W |
外形寸法(脚、ツマミ、端子含む) | 幅434x高さ134x奥行407mm |
重量 | 14.0kg |
付属 | システムリモコン |