
DBX DX5
¥99,800(1988年頃?)
解説
音質重視設計とサウンド・エフェクト機能を搭載したCDプレイヤー。
デジタルフィルタとして16ビット4倍オーバーサンプリングデジタルフィルタを搭載し、アナログフィルタに3次ローパスフィルタを搭載しています。
このデジタルフィルタは24.1kHz以上の阻止帯域で76dB以上の減衰量を持ち、不要成分の中心周波数を176.4kHzにまで追放しています。これによりD/A変換後のローパスフィルタを低次に出来るため、優れた位相特性と過渡応答特性を得るとともに14ビットタイプに比べて分解能も向上しています。
D/A変換部にはグリッジレス16ビット高速リニアD/Aコンバータを左右独立で搭載しています。
左右独立とした事でチャンネル間の位相ずれが無く、優れた音像定位と高域再生能力を獲得しています。
ピックアップ部には新開発レンズによる3ビームレーザーピックアップを採用しています。
この方式では信号を読み取るメインビームに加え、2つのサブビームでメインビームのトラックずれをリアルタイムで検出し、サーボ機構で制御しています。これによりディスクの偏心や反り、傷や汚れの影響を少なくし、安定したトレース能力を実現しています。
dbxならではの3つのサウンドエフェクト機能を搭載しており、D.A.I.R.、Compress、Ambienceを調整できます。
D.A.I.R.(Digital Audio Impact Recovery)では失われたピーク成分を強調する機能です。
広ダイナミックレンジのCDでも、ライブ音楽のダイナミックレンジ、特に鋭いピーク成分は録音時に抑制されて記録されています。D.A.I.R.ではこの失われたピーク成分である瞬間的なアタック音だけを強調する機能となっています。
音楽信号の急激なレベル増加を検知してさらに最大10dBもの強烈なインパクトを与えます。また、高域と低域の2バンド分割動作でその効果を自然なものとしています。
Compressでは大きな音を小さく抑え、小さな音を大きめに持ち上げることで、CDの90dBを超えるダイナミックレンジを最小60dBまで縮小する機能です。この機能は周囲に雑音が多い場合や深夜などの小音量での再生に威力を発揮します。また、BGM用途としても最適です。
縮小動作はD.A.I.R.と同じ2バンド分割となっています。
Ambienceでは中高域のLR信号を加算、減産してステレオセパレーションを調整し、音の広がり感をコントロールします。ボリュームを左に回すとタイトに、右に回すと広がり感が強まります。
16曲ランダムプログラム機能や、1曲/All/A-Bリピート機能、スキップサーチ、インデックスサーチ機能を搭載しています。
D.A.I.R.やCompressの動作状態をひと目で確認できるHFとLFの2バンド各ポイントLED表示Dinamicsメーターを搭載しています。
ラインアウトレベルを調整できるタッチコントロールアッテネーターを搭載しています。
ボリューム付ヘッドホン端子を搭載しています。
ディスクの傷や汚れによるエラー補正状況をディスプレイするエラーコレクション表示LEDを搭載しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | CDプレイヤー |
<オーディオ特性> | |
フィルター | 4倍オーバーサンプリングデジタルフィルタ |
D/Aコンバーター | 2DAC |
チャンネル | 2チャンネル |
周波数特性 | 5Hz~20kHz ±0.3dB |
ダイナミックレンジ | 96dB 60dB~90dB可変(dbx回路) |
S/N比 | 96dB |
チャンネルセパレーション | 85dB(1kHz) |
高調波歪率 | 0.003% 0.07%(dbx回路) |
ワウフラッター | 測定限界以下 |
最大出力 | 2Vrms |
誤り訂正方式 | CIRC |
<光学読取り及び信号方式> | |
レーザー | GaAlAs(ダブルヘテロ・ダイオード) |
サンプリング周波数 | 44.1kHz |
量子化 | 16ビットリニア、2チャンネル |
<総合> | |
外形寸法 | 幅483x高さ88x奥行302mm |
重量 | 5.6kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |