COUNTERPOINT DA-11
¥340,000(1994年頃)
解説
カウンターポイント初のCDトランスポート。
ピックアップメカニズムにはフィリップス社の3ビーム式メカニズムCDM12.1を採用しています。
CDM12.1ではレーザー光学系の搬送システムにストレートライン・トラッキング・スレッジと呼ばれるリニアトラッキング方式を採用しており、静かな動作と軽くて堅牢なメカニズムを実現しています。
また、ピット列をフォーカシング、トラッキングするライトペン部にはフィリップス社のCDM9やCDM9PRO用に開発されたホログラフィック・レーザー回折格子を使用しています。これによりデータを直接読み取るメインビームの他に左右へわずかにずれた2つのビームを照射し、その誤差を検出してより正確な読み取りを実現しています。
コントロール回路には独自のコンセプトを持つDSIC(Digital Servo IC)を採用しており、ピックアップのフォトダイオードからの信号をソフトウェアで分析・処理し、フォーカス、トラッキング、スレッジの各サーボ特性を調整しています。
通常レーザー反射光量などのトランスポートの調整は工場での手作業となりますが、初期設定は経年で変化していまします。DA-11ではDSICが絶えず情報をフィードバックし、トランスポートの状態を自動的に最適調整することでベストコンディションを保っています。
ソース信号のデコーディングにはシングルチップ・デジタルICで行っています。DA-11では通常チップ内に組み込まれるFIFO(First
In First Out)バッファーを専用の電源とクロックで動作する8kbyteRAMチップとして独立させています。これによりディスクの微妙な偏心や反りなどの様々な条件によって不規則に入ってくるパルス信号を一旦メモリーし、クロックと正確に同期したタイミングで送り出すことでジッターの問題を低減しています。
また、FIFOバッファー独立設計では同一チップ内の異なるクロック間における混変調も抑えられています。
ピックアップメカニズムは筐体構造上最も共振の小さいセンターに配置しています。また、ディスクトレイにはカウンターポイントのメタルショップでソリッド・アルミニウムから加工したものを採用しており、堅牢・精密な造りとすることで機械的な不要振動や音圧による振動を低減しています。
さらにピックアップメカニズム全体はシリコンラバー振動ダンピング材を用いたサスペンション構造によって内外の振動から隔離しています。
操作スイッチにはディスクトレイと同じアルミニウム材を加工して使用しています。
ディスプレイのオン/オフが可能です。
ランダム再生や、トラックの最初の部分だけを数秒再生するスキャン機能を搭載しています。
出力端子にはSTリンク・グラスオプティカル、TOSLINKプラスチック・オプティカル、BNCコアキシャルを採用しています。
BNCコアキシャルは、トランスを介して結合することによってドライブ・エレクトロニクスからのアース・フローティングを図る「アイソレーテッド」と、DA-11の回路とダイレクト接続の「ダイレクト」の2系統あり、好みに合わせて選択できます。
専用のワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | CDトランスポート |
<ピックアップメカニズム> | |
型式 | フィリップス社製CDM12.1 |
ピックアップ | ストレートライン・トラッキング・スレッジ 2ステージ3ビーム |
トレイ | カウンターポイントオリジナル(ソリッド・アルミニウム) |
レーザー形式 | 半導体AlGaAs |
波長 | 780nm ±20mm |
光出力 | 最大0.5mW |
モーター | ディスク、スレッジ、トレイともDCサーボモーター |
サスペンション | カウンターポイントオリジナル |
<デジタル出力フォーマット> | |
オプティカル | STリンク(AT&T)グラスオプティカルコネクター:1系統 Toslink(EIAJ)オプティカルコネクター:1系統 |
同軸 | BNCコネクター:2系統 ダイレクト:3.1Vp-p/75Ω アイソレーテッド:1.2Vp-p/75Ω |
<総合> | |
消費電力 | 10W(50Hz/60Hz) |
最大外形寸法 | 幅483x高さ57x奥行250mm |
重量 | 5.9kg |
付属 | ワイヤレスリモコン |