
COUNTERPOINT Solid-M1
¥265,000(1994年頃)
解説
ソリッドステート素子の持つ可能性をカウンターポイント独自のハイブリッドテクノロジーで追求・開発したソリッドステートシリーズのステレオパワーアンプ。
良好なステレオセパレーションを獲得するため、デュアルモノ・コンストラクションを徹底しており、電源トランスの2次巻線以降は整流ダイオード、フィルターコンデンサーまでを左右チャンネル分離し、独立にレギュレーションを施し、それぞれに電圧増幅段専用電源を備えています。
Solid-M1の増幅回路は3つのセクションで構成されています。
まず定電流カスコード接続による差動FET入力段では、2つのFETを一体化したデュアル・モノリシック方式のゲイン素子を用いて安定性を確保しており、リニアリティと広帯域な特性を獲得しています。続く電圧増幅段は差動トランジスターのペアで構成しており、高域特性に有利なカスコード接続による高インピーダンスのカレントミラー負荷で制御しています。
出力段はバイポーラトランジスタのフル・コンプリメンタリー構成によるAB級動作としており、出力インピーダンスを低く抑えて複雑な負荷にも安定した動作を可能にしています。バイアス電流は殆どA級に近いほど高めに設定して素子の安定化を図っています。
バイアス電流のハイ/ロー切換えが可能となっており、設置条件に合わせてセットアップできます。
Solid-M1では通常60~70dBはかけられているNFB量を14dB以下という音質には殆ど影響しないレベルにまで抑えており、優れたダンピングファクターを達成しながらダイナミズムにあふれるパフォーマンスを確保しています。
さらに、全体をDCサーボ・ダイレクトカップリングとしてフィードバックループからキャパシターを排し、全再生帯域における精度高い再現性と高い分解能、長期にわたる動作安定性を獲得しています。
また、スピーカーにとって致命的なDC成分漏れの影響もDCサーボによって排除できる設計となっています。
フロントパネルはカウンターポイントのメタルショップで入念に作り上げた肉厚のソリッドアルミニウムを採用しており、内部温度の安定性を保つとともに振動が音質に影響を与えるのを防いでいます。
リアパネルにはヒートシンクを採用しています。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
定格出力 | 100W/ch(8Ω) 170W/ch(4Ω) |
入力インピーダンス | 100kΩ |
歪率 | 0.2%(8Ω、1kHz、100W) |
周波数特性 | 1Hz~150kHz |
SN比 | 93dB(10Hz~20kHz) |
ダンピングファクター | 75(1kHz) |
ゲイン | 32dB |
DCオフセット | 10mV以下 |
信号極性 | 非反転 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 50W(アイドリング時) |
外形寸法 | 幅483x高さ120x奥行360mm(最大) |
重量 | 12kg |