COUNTERPOINT SA-220
¥850,000(1990年頃)
解説
管球式とソリッドステート式の双方のメリットを生かして開発されたステレオパワーアンプ。
SA-220では電圧増幅部と出力段ドライバーに、低内部抵抗とリニアリティで定評ある3極管6DJ8を採用しています。しかもドライバー段を定電流ソースカソードフォロワー回路とすることで単純な抵抗負荷式のカソードフォロワーよりはるかに低い歪率を獲得しています。
出力段は、クラスAレンジを拡大するためにバイアス電流を高くとり、厳密にマッチングをとった各チャンネル8個の125W定格出力MOS-FETで構成しています。また、自然な倍音構造とダイナミズムの維持するため出力段をNFBループから外しており、結果としてスピーカーのインダクタンス変動に因る発振等を伴うことなく安定したドライブを可能にしています。
内部スイッチ切換えによってブリッジ動作によるモノラルパワーアンプとしても使用できます。
電源部には1kVAのトランスを採用しています。
このトランスは、独自の巻線技術をふまえてカウンターポイント自社工場で製造されたものです。その他の部品選定にもトランス同様の高い基準を貫いており、ドイツ・レーダーシュタイン社の1%金属被膜抵抗、金属含有ポリプロピレン・キャパシター、金属酸化物被膜高精度電源抵抗などのハイグレードパーツのみを使用しています。また、基板にも銅被膜のFR-4エポキシラミネート素材を採用しています。
シャーシ素材には高級機エレクトロニクスの分野でもそのシールド能力が証明されている銅メッキスチール材を採用しており、10Hz以下~ギガヘルツの広い帯域にわたってあらゆる干渉をブロックしています。
アナログコンピューターを組み込んだ新設計の保護回路APC(Advanced Protection
Circuit)を搭載しています。
この回路では出力段を常時モニターし、そのエネルギー消費を演算しており、通常の動作パラメーターを逸脱するとミュート回路を起動して再生システムをプロテクトしています。
APCは従来の電流制限方式を採っていないため、オーディオ系に影響を与えません。
ブリッジ接続用のXLRコネクターを搭載しています。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ | ||
実効出力 |
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入力インピーダンス | 100kΩ/100pF | ||
全高調波歪率 | 0.5%(200W、R.M.S.、8Ω) | ||
周波数特性 | 1.2Hz~200kHz | ||
SN比(入力ショート) | -84dB(400~80kHz、UNWTD、ステレオ時、8Ω、1W基準) | ||
ダンピングファクター | 6.0 | ||
ゲイン | 30dB | ||
使用真空管 | オーディオ増幅用 6DJ8x4 フェーズチューブ 6DJ8x1 整流管 6CA4x1 |
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消費電力 | 200W(アイドリング時) | ||
外形寸法 | 幅480x高さ113x奥行480mm | ||
重量 | 31kg |