CORAL TA-7700
価格不明(1967年頃)
解説
ICやFETを採用したステレオレシーバー。
回路構成には入力トランスや出力トランスを使わないSEPP-ITL-OTL回路を採用しています。また、拡散型シリコン・パワートランジスタの採用により大出力を得ています。
信号回路は全てシリコントランジスタで構成されており、広帯域特性を実現しています。
管球式アンプに比べて音が硬いと言われていたトランジスタアンプの難点を改善するため、独自に開発した音質制御回路を搭載しています。
Phono1端子はヘッドアンプを内蔵することで感度を高めており、MC型カートリッジが入力トランス無しで接続できます。
また、Phono2端子はMM型カートリッジに対応しています。
SCRの採用による純電子式の保護回路を搭載しています。
この回路は出力端子がショートした場合に動作し、パワートランジスタを破損事故から保護します。
2系統のスピーカーが接続できます。
ラウドネスコントロールやテープモニター、ハイカットフィルター、ローカットフィルター、ヘッドホン端子、DINコネクターを採用しています。
FMチューナーのIF部は5段構成となっており、ICを採用することで信頼性や特性を高めています。
また、RF回路にはFETを採用することで混変調歪を大幅に改善しています。
SCA放送とFM放送の干渉を防ぐため、50dB以上の減衰量を持ったSCAフィルターを搭載しています。
FM選局時及び離調時の局間ノイズを低減するためミューティングスイッチを搭載しています。
AGC(自動利得制御)回路を搭載しており、アンテナから強い電波が入る強電界で音が歪のを防いでいます。
MPX回路にはシリコンダイオードを使用しており、周囲温度の変化によるセパレーションへの影響を抑えています。
FMモノ-ステレオ自動切換え回路を搭載しています。
ステレオ放送時はFMステレオ表示ランプが点灯します。また、外来雑音で点灯することがないように誤動作防止回路が組み込まれています。
アルミ押し出し材を用いたデザインを採用しています。
別売でウッドケースがありました。
機種の定格
型式 | FM/AMレシーバー |
<アンプ部> | |
ミュージックパワー | 160W(8Ω) |
実効出力 | 50W/50W(8Ω) |
全高調波歪率 | 0.8%以下 |
周波数特性 | 20Hz~40kHz ±2dB |
出力帯域特性 | 20Hz~20kHz -3dB |
S/N比 | Phono1:60dB Phono2:65dB Aux:70dB |
入力感度 | Phono1:0.04mV Phono2:2.5mV Aux:200mV |
ダンピングファクター | 30(8Ω) |
ラウドネスコントロール(Volume-30dB) | 100Hz:+6dB、10kHz:+3dB |
トーンコントロール | Bass:±10dB(100Hz) Treble:±8dB(10kHz) |
ローフィルター | 50Hz、-8dB |
ハイフィルター | 15kHz、-8dB |
スピーカーインピーダンス | 4Ω~16Ω |
<FMチューナー部> | |
感度 | 2μV(IHF) |
イメージ比 | 65dB |
周波数特性 | 20Hz~20kHz ±2dB |
全高調波歪率 | 0.7%以下(1kHz、100%変調) |
S/N比 | 60dB |
ステレオセパレーション | 40dB |
<AMチューナー部> | |
感度 | 20μV(IHF) |
イメージ比 | 50dB |
<総合> | |
使用半導体 | トランジスタ:42個 ダイオード:27個 サーミスタ:4個 ポジスター:2個 SCR:1個 |
電源電圧 | AC100V/117V/220V/240V |
消費電力 | 45W(無信号時) 350W(最大出力時) |
外形寸法 | 幅475x高さ150x奥行420mm |
重量 | 12.5kg |
別売 | ウッドケース |