Chriskit P-35
¥33,000(パーツセット、1970年代頃)
解説
桝谷英哉氏が設計したステレオパワーアンプキット。
管球式プリアンプキットであるMarkIVとペアとなるパワーアンプとして設計されました。P-35が管球式ではないのは、クリスキットの設計思想を追求した結果、トランジスタの方が有利と判断したようです。
また、A級の音質を維持しつつB級の迫力が得るのを目指し、アイドリング電流を最も適当と思われるところに設定しています。
回路構成は全段直結OCL+純コンプリメンタリー回路を採用しています。
初段には一組のトランジスタを用いた差動アンプを採用しており、2つのトランジスタは完全にペアである必要があります。P-35ではここにNEC製のμPA41Cを採用しており、デュアルラインパッケージに収められたPNPツイントランジスタによって特性を揃えています。
電源部には充分に余裕を持たせたパワートランスを採用すると共に、4,700μFのフィルターコンデンサを4つ用いる事で迫力のある低音を実現しています。
使用パーツの一つひとつに厳しい選別が行われています。
トランジスタは全てメーカー協力によって特性の揃ったものを使用しています。さらに納得できないパーツはコストを無視して特別注文するなど徹底しています。
このパワーアンプには±2%級の精密抵抗を使用し、その他のパーツ類も音質を第一に選んだものを使用しています。
別売りオプションとして専用のアッテネーターがありました。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
実効出力 | 35W+35W(歪率0.5%時) |
周波数特性 | 5Hz~500kHz -3dB(1W出力時) 5Hz~120kHz -3dB(35W出力時) |
歪率 | 1W出力時 0.055%(10kHz) 0.04%(1kHz) 0.03%(100Hz) 10W出力時 0.075%(10kHz) 0.04%(1kHz) 0.03%(100Hz) |
消費電力 | 17W(5W出力時) |
外形寸法 | 幅330x奥行180x高さ150mm |
別売 | P-35用アッテネーター(各¥2,100) AT-19:1dB~9dB、1dBステップ AT-816:8dB~16dB、1dBステップ AT-218:2dB~18dB、2dBステップ |