Cello RHAPSODY
¥2,200,000(2003年発売)
解説
マシュー・ジェームス社に継承された新生チェロの第一作として開発された2チャンネル/3チャンネルパワーアンプ。
2チャンネル構成と3チャンネル構成の2種類のバリエーションがありました。
入力段にはJ-FETデュアルモノ構成を採用しています。
この回路部では広範囲なダイナミックレンジを確保するとともにオーバーロードに強い設計がされており、電圧、電流、周波数の面から十分に検討してオーバーロードに対する問題解決が行われています。
ドライバー段や出力段では微小信号レベルでも歪は最低限に抑えられており、実使用条件での歪成分は可能な限り抑えられています。
出力段はNF量を最低限に抑え、シンプルな回路構成とする事で安定した動作を実現しています。
素子には厳格なマッチングで組み合わせた250Wメタルケース・バイポーラトランジスタをチャンネルあたり6ペア使用しています。
半導体やヒートシンク上の位置、ヒートシンク自体の選択は温度変化の影響を排除すべく試行錯誤を繰り返して決定されています。
パワートランジスタはメタルハードウェア、コンプレッション・ワッシャー、グラファイトとメタルの複合ガスケット上にマウントされています。この構成は熱伝導性に優れ、各デバイスの性能を引き出すよう考慮されています。
パワートランスの配置にも配慮がされており、トランスが他の使用部品に与える影響を極力抑えています。
厚いニッケルメッキの銅製バスバーを一部に使用しており、グランドとアンプ内部のパワー配分をより効率的に行っています。
アンプからの出力信号はキャプトンを絶縁として用いた10AWGゲージの銀線を介してバスバーに入力されています。
電源部には高電流ターミナルが付属した特別な高温フィルターコンデンサを採用しています。
マイクロプロセッサーによる保護回路を搭載しています。
このプロセッサーではスピーカーケーブルのショートやオーバーヒート、DC、過電圧などからアンプを保護すると共に、ソフトスタートやミュート、分析能力も備えています。
シャーシには航空機グレード・ハードアルミの削り出しを採用しています。
また、脚部には硬化ステンレス製のものを採用しており、低温マルチステート・プロセスによって硬度をさらに高めるアルモロイコーティング処理が施されています。これによりアンプが振動した時に発生する混変調歪を広範囲にわたって減衰させており、0.5Hzに対しても効果を得ています。さらに取付位置にも配慮がされており、床の微振動がアンプに対して影響を及ぼすのを防いでいます。
入力端子にはXLRコネクターを採用しています。
リモート用トリガー端子を搭載しています。
機種の定格
型式 | 2ch/3chパワーアンプ |
実効出力 | 200W/ch(8Ω) 400W/ch(4Ω) |
全高調波歪率 | 最大0.25%(250W/ch、8Ω負荷時) 最大0.5%(400W/ch、8Ω負荷時) |
混変調歪率 | 0.1%未満(SMPTE) |
ゲイン | 23dB |
入力インピーダンス | 10kΩ |
ノイズ | 100dB以下(フルパワー時、Cカーブ補正) |
消費電力 | 1500W(フルパワー時) |
外形寸法 | 幅435x高さ260x奥行620mm |
重量 | 47kg(2ch) 50kg(3ch) |