
B&W 801
¥398,000(1台、1979年発売)
解説
B&Wの代表的なモニタースピーカー。
801は英国EMIアビーロード・スタジオをはじめ、CBSやポリドール、グラモフォンの各スタジオなどでモニタースピーカーとして採用されました。
低域には30cmコーン型ウーファーを搭載しています。
ウーファーシステムの音響パワー出力はダイアフラムの変位によって決まり、ダイアフラムのピークでの体積変位の2乗に比例します。801では音楽信号の最大変位として見なす事ができるオルガンのレコードのスペクトラムのピーク電圧値を根拠として設計されています。この場合、音響パワー出力1Wを得るには変位値5.4mmと計算されるため、801ではピークで6mm変位しても歪を生じないようポールピースの両側に6mmのオーバーハングを持たせています。さらに特殊なマグネットアッセンブリーを使用することで、6mm以上の異常変位でもボイスコイルがマグネットのバックプレートにぶつからないよう内側サスペンションの反作用によって変位が制限される設計となっています。
エッジ部には柔軟性に富むPVCを採用しています。また、ボイスコイルには50mm径の耐熱性に優れたノメックス型を採用し、体入う緑生を高めています。
中域には10cmコーン型スコーカーを搭載しています。
このユニットは5kHzまでフラットな周波数特性を得るためにダイアフラムの直径を100mmと決定し、コーンにはB&Wが特許を持つ特殊製法の樹脂塗りケブラーを採用しています。さらに、ダイアフラムの振動をレーザー光線で解析し、過渡特性に優れ、エネルギーを蓄積しないケブラーの特質を生かしつつ、エッジ部の改良やダンプ材の塗装をリング状にするなどの技術を導入することでより優れた中域再生を実現しています。
高域には2.6cmドーム型ツィーターを搭載しています。
このユニットは高い周波数帯域で優れた指向特性を得るため、極めて小型に設計されています。ダイアフラムにはポリエステルフィラメントを編んだドーム型としており、26mm径のボイスコイルで駆動しています。また、センターポールマグネットにニッケルコバルトを採用しています。
ネットワーク部はボイスコイル自身のインピーダンスが周波数によって変化する性格を考慮し、コンピューターを用いたネットワーク設計を行っています。素子の定数は最適値法によっt絵決定しており、低歪ネットワークを実現しています。
ミッドレンジエンクロージャーの背部に中域用と高域用のレベルコントロールを搭載しています。
リスニングルームなどの状態に応じて音響特性を調整できます。
エンクロージャーは独自の振動測定法を用いて設計されており、額縁のような補強をした独特の内部構造を採用しています。また、低域、中域、高域と各ユニットに独立のエンクロージャーを持たせ、しかも中高域のエンクロージャーはウーファーと独立して向きを変えられるようにすることで指向特性の改善を図っています。
外観はウォルナット仕上げが施されています。
自動的に動作するオーバーロード保護回路を内蔵しており、クリックノイズ等のトランジェントシグナルや、ボイスコイルに損傷を与えるサーモオーバーロード、アンプのDC漏れからスピーカーを保護しています。
オーバーロード状態ではLEDが点灯し、スピーカーへの入力信号が自動的にカットされます。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・フロア型 |
使用ユニット | 低域用:30cmコーン型 中域用:10cmコーン型 高域用:2.6cmドーム型 |
周波数特性 | 45Hz~20kHz ±2dB(2m) |
最低共振周波数 | 37Hz |
インピーダンス | 8Ω |
出力音圧レベル | 85dB/W/m |
外形寸法 | 幅432x高さ948x奥行560mm |
重量 | 44kg |