
BOSE PAM-6
¥149,000(1セット、1991年頃)
解説
「誰でも簡単に良い音」をテーマに開発された2.1チャンネルパワードスピーカーシステム。
PAM-6ではキューブスピーカーとパワーアンプ内蔵のアクースティマス・ベースボックス、ワイヤレスリモコンがセットとなっています。
キューブスピーカーとアクースティマス・ベースボックスは離して設置する事ができるため、キューブスピーカーをテレビの側に配置し、ベースボックスを目立たない所に隠すなど、自由なセッティングを可能にしています。
PAM-6のスピーカーユニットには、キャンセリングマグネット方式と高能率シールド方式を併用した低磁束漏洩型を採用しており、ブラウン管テレビ等の横に置いても悪影響がありません。
キューブスピーカー
ユニットには5.7cmコーン型フルレンジユニットを2個搭載しています。
キューブスピーカーにはダイレクト・リフレクティング方式を採用しています。
この方式では上下2本のスピーカーの向きを変えたりバイフェイシャル・スイッチを切換えることで間接音をコントロールし、様々な空間音場が作れます。
ベースボックス
ユニットには16cmコーン型ウーファーを2個搭載しています。
ベースボックスにはアクースティマス方式を採用しています。
この方式ではキャビネット内を2つの部屋に分け、その境目にウーファーユニットを収めています。各部屋はチューニング周波数の異なるポートを持っています。
ポートのチューニング周波数付近ではコーン紙の動きが小さく抑えられ(非直線歪が極小)ますが、ポートから放出される音響エネルギーは共振効果によって大きくなります。このポートの周波数をうまく設計する事でチューニング周波数以外の帯域では出力が相乗され、結果的に広い帯域にわたってコーン紙の動きを抑えながらフラットな低域を得ています。
また、ウーファーユニットを内部に収める事でユニットからの高調波が外部に出るのを防ぎ、ウーファーの存在を感じさせない低音再生を実現しています。
ベースボックスには3チャンネル分のパワーアンプを内蔵しています。
出力はベースボックス駆動用が45W、キューブスピーカー駆動用が30W+30Wとなっており、それぞれドライバーユニットやキャビネット容量にマッチする専用設計となっています。
また、スピーカーとパワーアンプを直結させる事でケーブルによる伝送ロスを排除しています。
独自のアクティブイコライザー回路をアンプ部に搭載しています。
スピーカーのインピーダンス特性やダンピング特性は入力信号の大きさや周波数に応じて変化するため、再生音の音質変化の要因となっていました。PAM-6のアクティブイコライザー回路ではこれらの変化に応じたコントロールを行っており、ボーズが長年の研究によって確率した理想的な再生周波数カーブを実現しています。
ダイナミックイコライゼーション回路を搭載しています。
この回路では聴感上最も自然な周波数バランスに聞こえるように調整する事で、どんな再生レベルや周波数帯域でもバランスとれた音が得られるようにコントロールしています。
その他
ワイヤレスリモコンが付属しています。
このリモコンでは電源のON/OFFやボリューム調整が行えます。また、コマンドにはRF方式を採用しており、赤外線方式のようにスピーカー本体にリモコンを向ける必要がありません。
別売りブラケット等の設置用金具が対応していました。
これらの金具を使用する時はキューブスピーカースタンドを外して使用します。
機種の定格
方式 | アンプ内蔵・2.1チャンネルスピーカーシステム。 |
定格出力 | ベースボックス用:45W キューブスピーカー用:30W+30W |
入力インピーダンス | 10kΩ |
入力レベル | Low/Line入力:100mV~1V Hi/Line及びスピーカー入力:1V~10V |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
低磁束漏洩 | キャンセリングマグネット方式(キューブスピーカー・ベースボックス) |
カラー | ダークグレー(グリルはブラック) |
<キューブスピーカー> | |
使用ユニット | 全帯域用:5.7cmコーン型x2 |
外形寸法 | 幅91x高さ249.5x奥行143.5mm(台付き) 幅91x高さ191x奥行120mm(台無し) |
重量 | 1.8kg(台付き) 1.3kg(台無し) |
<アクースティマスベースボックス> | |
方式 | アクースティマス方式 |
使用ユニット | 低域用:16cmコーン型x2 |
外形寸法 | 幅350x高さ540x奥行170mm |
重量 | 12.6kg |
<リモートコントローラー> | |
機能 | 電源ON/OFF、音量調節 |
送信方式 | 高周波(RF)方式 |
バッテリー | 単3x3(DC4.5V) |
外形寸法 | 幅64x高さ25x奥行156mm |
重量 | 0.11kg(電池含まず) |
<その他> | |
別売 | 壁密着ブラケット GCS-2(1ペア、¥3,000) 壁掛けブラケット GCW-4(1ペア、¥8,500) 天井吊り・壁掛けブラケット GCW-300(1ペア、¥12,000) TV用モニターブラケット XT-1(1ペア、¥11,000、TV幅850mmまで対応) パンスタンド GMA-3(1ペア、¥12,000) ワイヤー式天井吊り下げブラケット XB-1(1ペア、¥25,000) |
スピーカーの設置方法
- 音像を中央に寄せたい場合
小編成の演奏を再生する時などは、上部のスピーカーを内側ななめ後方に向けることで音像を中央に定位させることができます。
- 定位や音階のモニタリングをしたい場合
音像定位の明確な再生音が得られます。
スタジオ等でのモニターとしてや、比較的広いスペースで使用する場合などに最適です。
上下のスピーカーを正面に向ける使い方をします。
- 音像を左右に自然に広げたい場合
フルオーケストラや合唱などを再生する時は、上部のスピーカーを外側ななめ後方に向けることでスケール感のあるサウンドが展開できます。
- 音像を中央に寄せながら音場を広げたい場合
AVシステムに最適なセッティングとなります。音声を画面から、音楽を部屋いっぱいに広げたり、またオーケストラをバックにした歌を楽しむ時などに最適です。
下部スピーカーを内側に向け、上部スピーカーを外側後方に向けることで楽しめます。