A&E DCA-120
¥128,000(1976年発売)
解説
最新の高性能・高信頼度のパーツを用いたステレオDCパワーアンプ。
入力端子にはピンジャックとBNCコネクターを採用しています。
リアパネルに設けられたローカットスイッチをONにした場合、直列にコンデンサーが入り、6.5Hz以下をカットします。その後3C2Vコードで前面の50kΩB型ボリュームに入力されます。
増幅部は初段にデュアルFET及びNPNトランジスタによってカスケード接続された差動増幅回路で構成されています。また、2段目はデュアルPNPトランジスタとカスケード回路、カレントミラー回路を組み合わせた差動増幅回路となっています。
カスケード接続を採用する事で、裸特性においても充分高域まで伸ばし、あわせてNFB後の位相マージンを確保しています。
出力段は3段の純コンプリメンタリープッシュプル回路となっています。パワートランジスタの前2段は通常のB級接続と違い、信号のいかなる場合にもカットオフされることの無い動作をし、ノッチング歪が発生しません。
また、パワートランジスタについては、大信号時に生じる寄生発振、動作不安定を招くベースキャリアの蓄積を防止する回路を備えており、安定した動作を確保しています。
ヒートシンクはシャーシと一体構造とする事でチムニー効果を高め、高い放熱効果を得ています。
電源部には大型トロイダルトランスを使用しています。
前段増幅器には出力インピーダンスが低く、かつ高速応答性を持つ定電圧電源回路を設けています。
ミューティングは大型リレーによってスピーカー回路を切り離す事で行い、電源ON/OFF時のクリック音防止と、スピーカー端子にDC成分や超低域信号が入力された場合に約2Vで保護動作となり、スピーカーの破損を防いでいます。
パワートランジスタの保護には応答が極めて速い電子回路を採用しており、電流リミッター及び電圧リミッター併用の保護回路を備え、万全を期しています。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
定格出力 | 60W+60W(RMS) |
最大出力 | 75W(片chのみ) |
入力インピーダンス | 50kΩ/45pF |
入力感度 | 1Vrms(出力50W時) |
最大入力電圧 | 10Vrms |
入力換算雑音電圧 | 10μV、-100dB/V |
残留雑音 | 0.2mV |
出力インピーダンス | 35mΩ+0.48μH |
ダンピングファクター | 300 |
DCドリフト | ±10mV(0゜~40℃ |
周波数特性 | 0~500kHz -3dB |
利得 | 26dB±1dB |
全高調波歪率 | 0.002%以下 |
クロストーク | 70dB以上(20Hz~20kHz) |
S/N比 | 100dB以上 |
位相差 | 0゜~3゜(DC~20kHz) |
群遅延時間 | 0.42μsec |
使用半導体 | D.FET:2個 FET:3個 トランジスタ:41個 ダイオード:48個 |
電源 | 100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 240VA(最大出力時) 15VA(無信号時) |
外形寸法 | 幅480x高さ85x奥行280mm |
重量 | 7.5kg |