Aurex ST-S90
¥69,800(1982年頃)
解説
シンセサイザー方式を採用したFM/AMチューナー。
フロントエンド部は安定度の高いバッファアンプ付局部発振器を持つ4段バリキャップのFM電子同調式となっています。これにより相互変調妨害特性に優れており、強電界築の受信でも余裕のある耐入力で入力オーバーを防ぎ、さらに外部からの電波妨害にも安定した受信性能を得ています。
また、MOS FET RFアンプ(高周波増幅部)で電波をそのまま増幅してから受信するタイプなため、クリアな受信を可能にしています。
検波段には、FMステレオ放送受信時の隣接妨害電波排除能力を向上させるアンチバージーフィルタを搭載しています。この回路では0.1MHz離れた隣接局とパイロット信号の高調波のビートによる雑音を検波段でカットするので、音質を損ないません。
IF部には、歪発生の少ない群遅延特性の平坦なセラミックフィルターを採用することで強変調入力歪特性が向上しています。
また、IF帯域幅はワイド、ナローの2段切替としています。ワイド時はセラミックフィルターを通過したIF信号をそのまま検波段に送り、ナロー時には狭帯域のセラミックフィルターを2段通過させ、郡遅延特性の平坦な広帯域セラミックフィルターを通過しています。これにより低歪率化と優れた選択度を実現しています。
AM/FMともに、チューナーの局部発振にクォーツ(水晶)を用いたPLL周波数シンセサイザー方式を採用しており、安定した受信が可能になっています。
操作方式、周波数表示、各動作表示など全てにスタティック方式を採用しており、従来のダイナミック方式に比べ、安定性の向上とノイズの低減を実現しています。
AM/FMを合計10局までランダムにメモリーが可能なランダムプリセットメモリーを搭載しています。
プログラムタイマー機能を搭載しており、エブリデイ、ワンス、スリープの3通りの機能とプリセット局の指定が同時に行えます。
バーアンテナ及びAM電子同調ICの採用により高感度・高SN比を実現しています。
明るさの変化で電波の状態を表示する5連LEDインジケーターを搭載しています。
スモークドシーリングポケットを採用しています。
機種の定格
型式 | FM/AMチューナー |
<FMチューナー部> | |
回路方式 | PLL周波数シンセサイザ方式4連バリキャップフロントエンド |
受信周波数 | 76.0MHz~90.0MHz |
感度 | 10.8dBf |
SN比 | mono:88dB stereo:82dB |
歪率(wide、1kHz) | mono:0.03% stereo:0.04% |
周波数特性 | 20Hz~15kHz ±0.5dB |
選択度 | wide:50dB(400kHz) narrow:65dB(300kHz) |
イメージ妨害比 | 80dB |
IF妨害比 | 90dB |
AM抑圧比 | 65dB |
分離度 | 50dB(1kHz) 40dB(100Hz~10kHz) |
定格出力 | 0~800mV/2.2kΩ |
キャプチャーレシオ | 1.0dB |
<AMチューナー部> | |
受信周波数 | 522kHz~1710kHz |
感度 | 230μV(バーアンテナ) |
SN比 | 58dB |
歪率 | 0.5% |
IF妨害比 | 68dB |
イメージ妨害比 | 59dB |
<総合> | |
電源 | AC100V 50Hz/60Hz |
消費電力 | 15W |
外形寸法 | 幅420x高さ84x奥行414mm |
重量 | 4.4kg |