Aurex ST-F15/ST-F15K
¥62,000(1978年頃)
解説
新開発LSIを採用したFMステレオチューナー。
2つの新開発LSIによりコンパクト化を実現しています。
シンセサイザー用にはTC-9123Pを採用しています。このLSIは1チップに1,700の素子を配しており、PLLシンセサイザー機能を中心としてオートチューニングなどの機能を受け持っています。
コントロール用にはTC-9124Pを採用しています。このLSIは1チップに5,400の素子を配しており、メモリー機能をメインとにして、コントロールを受け持っています。また、10局のプリセットを可能にしています。
フロントエンド部にはすPLLシンセサイザー方式を採用しています。PLLシンセサイザー方式では、水晶発振器を用いた局部発振回路をPLLループに組み込むことで、正確な発振周波数を作り出しています。
ST-F15ではフロントエンド部に新開発のFETや5連バリキャップ(可変容量ダイオード)を採用しており、さらにIF(中間周波数)増幅段には新開発のICとセラミックフィルターを使用することで、特性の向上を図っています。
オートチューニングとマニュアルチューニング、プリセットチューニングの3種類の選局操作が可能です。
導電ゴム製のプッシュスイッチを採用しています。
プリセットチャンネルの数字やステレオインジケーター、シグナルインジケーターを表示するディスプレイを搭載しています。
受信周波数表示用には蛍光管を採用しており、シグナルレベルは5段階表示されます。
FM50%変調で1kHzの基準信号を出力できるエアチェック・キャリブレーターを搭載しています。
シルバーカラーのST-F15とブラックからのST-F15Kの2種類のバリエーションがありました。
機種の定格
| 型式 | FMステレオチューナー |
| 回路方式 | PLL周波数チューナー |
| 受信周波数 | 76.0MHz~90.0MHz |
| 実用感度 | 10.8dBf/0.9μV(75Ω) |
| SN比 | stereo:68dB mono:72dB |
| 歪率(1kHz、100%) | stereo:0.25% mono:0.15% |
| 周波数特性 | 30Hz~15kHz +0.5 -1.5dB |
| イメージ妨害比 | 50dB |
| IF妨害比 | 80dB |
| キャプチャーレシオ | 1.0dB |
| スプリアス妨害比 | 100dB |
| AM抑圧比 | 50dB |
| 実効選択度 | 75dB(±400kHz) |
| ステレオ分離度 | 45dB(1kHz) |
| 定格出力 | 600mV(400Hz、100%) |
| 出力インピーダンス | 2kΩ |
| 使用半導体 | トランジスタ:17個 FET:2個 リニアIC:2個 デジタルIC:12個 ダイオード:45個 LED:4個 |
| 電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
| 消費電力 | 7W |
| 外形寸法 | 幅257x高さ54x奥行196mm |
| 重量 | 2.2kg |