Aurex ST-55
¥49,800(1980年頃)
解説
スタティック方式LSIを採用したシンセサイザー方式FM/AMチューナー。
シンセサイザー方式では、希望受信周波数に対応する局部発振器の周波数を水晶の正確な振動による基準信号と比アックし、さらにPLL回路によって制御し、正確な周波数に保っています。これにより同調安定度を大幅に向上し、音質最良点を正確に維持します。
また、局部発振器との位相比較周波数もFM25kHz、AM9kHzにアップし、可聴帯域でのビートを排除して同調精度を高めています。
操作キー、周波数表示、インジケーターなどの全てにスタティック方式を採用することでSN比の向上を図っています。
従来のダイナミック方式が、一定のサイクルで常に信号を送り続けて信号を制御していたのに対し、スタティック方式では周波数を変更する時だけ信号を送ります。このため送信する信号の数が少なくなり、ノイズの発生を大幅に減少させています。
フロントエンド部は4連バリコン相当とすることで高い選択度を得ています。また、RFアンプで電波をそのまま増幅してから受信する高感度タイプとすることで微弱な電波にも強い構造となっています。
AM/FM各6局プリセットが可能です。
プリセットは、オート/マニュアルで選局した後、メモリーキーを押して希望のチャンネルキーを押すとセットできます。
モード切換スイッチをAUTOにすることでFMオートチューニングが可能です。
出力ボリュームを搭載しています。
5連シグナルインジケーターを搭載しています。
周波数表示に蛍光表示管を採用しています。
クリーンドライブアンプと同様にフロント部分に強化ガラスを採用しています。
機種の定格
| 型式 | FM/AMチューナー |
| <FMチューナー部> | |
| 受信周波数 | 76.0MHz~90.0MHz |
| 感度(IHF) | 10.8dBf |
| 歪率(1kHz、100%MOD) | mono:0.08% stereo:0.12% |
| SN比(IHF、Aカーブ) | mono:80dB stereo:74dB |
| 周波数特性 | 20Hz~15kHz ±1.5dB |
| 選択度(IHF) | 60dB |
| イメージ妨害比 | 70dB |
| IF妨害比 | 75dB |
| キャプチャーレシオ | 1.5dB |
| スプリアス妨害比 | 75dB |
| AM抑圧比 | 60dB |
| ステレオセパレーション | 50dB(1kHz) |
| 定格出力 | 0~600mV(400Hz、100%MOD) |
| <AMチューナー部> | |
| 受信周波数 | 522kHz~1,602kHz |
| 実用感度 | 280μV/m(SN比 20dB) |
| 歪率 | 0.7%(400Hz、30%MOD) |
| イメージ妨害比 | 35dB |
| IF妨害比 | 30dB |
| SN比 | 50dB |
| <総合> | |
| 使用半導体 | トランジスタ:32個 ダイオード:27個 IC:10個 |
| 電源 | AC100V 50Hz/60Hz |
| 消費電力 | 13W |
| 外形寸法 | 幅420x高さ78x奥行230mm |
| 重量 | 2.6kg |
| 付属 | T字型アンテナ 接続コード |