
Aurex SS-320W
¥29,800(1台、1976年頃)
解説
音のエネルギー感を重視して設計されたスピーカーシステム。
低域にはfo29Hzの25cmコーン型ウーファーを搭載しています。
このユニットの振動板には強度と適度な内部損失を持つ11.7gのクルトミューラー社製の新型コーンを採用しています。また、エッジには特殊成型のゴムエッジを採用しています。エッジをフレームに固定している矢ゴム部分にも配慮された設計となっています。
磁気回路のボイスコイルにはアルミ製ボビンにポリウレタン線を4層巻きにしたものを使用しており、耐熱性を高めつつ能率を向上させています。マグネットには直径110mmのフェライトマグネットを採用しています。
フレームには厚さ4mmのダイカストフレームを採用しており、寄生振動を抑えています。
高域には7cmコーン型トゥイーターを搭載しています。ユニット単体のfoは250Hzですが、2kHzでクロスさせた余裕のある使い方によって歪を軽減しています。
このユニットはダンパーレス構造となっており、振動系を軽くし、歪を減らしています。また、センターキャップ内にはウレタンの吸音材を用いたダンプ処理が施されています。磁気回路には直径65mmのフェライトマグネットを採用しています。
クロスオーバー付近の中音に近い音域が濁るのを防ぐため、振動板後部の空気室に吸音材がつめられています。また、ウレタンのフランジを用いてトゥイーター周辺からの反射を防止しています。
ネットワークでは、ウーファー用に直径45mmの高透磁率フェライトコアを用いたコイルを採用しています。このコイルは巻線も直径1.2mmと太めになっており、直流抵抗を定格インピーダンスの約1/36に抑えています。さらに、ウーファー用にインピーダンス補正回路を装備しており、クロスオーバー付近で電磁制動がLC共振回路によって弱まるのを防いでいます。
トゥイーターのローカット用にはロスの少ない金属化ポリエステルフィルムコンデンサーを採用しています。
定抵抗タイプの連続可変型レベルコントロールを搭載しており、トゥイーターのレベル調整が可能です。
この部分には瞬間的なパワーであれば100Wまで耐えられる素材を使用しており、音質への影響を低減しています。
エンクロージャーにはバスレフ方式を採用しており、天板と底板と両側板には15mm厚、バッフルと裏板には18mm厚のパーチクルボードを採用しており、共振を低減しています。
また、フロントバッフルには強固なホゾ組の補強棧を使用しています。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型 |
使用スピーカー | 低域用:25cmコーン型 高域用:7cmコーン型 |
周波数特性 | 30Hz~20kHz(SPL-20dB) |
最大入力 | 50W |
定格入力 | 25W |
インピーダンス | 6Ω |
出力音圧レベル | 91.5dB/W/m(入力電圧2.45V) |
クロスオーバー周波数 | 2kHz |
レベルコントロール | 高域連続可変 |
内容積 | 約40リットル |
外形寸法 | 幅340x高さ550x奥行332mm |
重量 | 14kg |