Aurex HR-710
¥7,900(1975年頃)
解説
軽量化が図られたコンデンサー型ステレオヘッドホン。
ユニットケースにはセミオープンタイプを採用しており、全帯域で適切な負荷を振動ユニットにかけつつ外界と遮断される不快感を解消しています。素材にはABS樹脂を使用しており、吸音材にはウレタンフォームを使用しています。
イヤパッドにはエネルギーロスの少ない中央盛り上がりの形状となっており、閉鎖感じを無くすために耳覆い型ではなく耳あて型としています。
ヘッドバンドとのジョイント部ではシンプル化が図られており、ヘッドパッドにはエアクッションタイプを採用しています。
ヘッドパッド部は取り外しできるようになっており、顎の方から耳に当てて使うこともできます。
バックエレクトレット(背極エレクトレット)方式を採用しています。
この方式では振動膜とエレクトレットが分かれているため、エレクトレット自体の能率を上げることができ、しかも振動膜は薄くすることで振動マスを十分に小さくすることができます。
HR-710では新開発の高電圧エレクトレット(特殊高分子フィルムを金属板に接着したもの)が高抵抗を介して振動膜と電気的につながっており、安定した振動膜の動作を実現しています。
振動膜にはポリエステルフィルムにアルミ蒸着したものを使用しており、51mm径で4ミクロン厚、質量11mgを実現しています。
プラグと一体化したアダプター部分でマッチングインピーダンスを切換できます。
マッチングインピーダンスは3ポジションが選択できます。
コード部にはステンレス芯線を使用しており、細身でありながら丈夫な配線を実現しています。
機種の定格
型式 | エレクトレットコンデンサー型ヘッドホン |
<ヘッドホン部> | |
駆動方式 | プッシュプル全面駆動 |
静電容量 | 60pF |
ダイヤフラム | 4ミクロン厚ポリエステルフィルム径51mm アルミ両面蒸着 |
周波数特性 | 20Hz~20kHz |
出力音圧レベル | 95dB/3V(Mポジション) |
最大音圧レベル | 115dB |
高調波歪率 | 0.5%(400Hz標準入力時) |
イヤパッド圧力 | 250g(耳間隔150mm) |
コード | ステレオプラグ付き4芯2.5m 芯線ステンレス |
重量 | 160g(コード含まず) |
<アダプター部> | |
形式 | 入力インピーダンス切換式 |
入力インピーダンス | H(High):1kΩ M(Middle):300Ω L(Low):8Ω |