Aurex SC-55
¥108,000(1976年頃)
解説
手頃な出力でクオリティの高い再生音を追求した薄型設計のステレオパワーアンプ。
初段にカスコード接続を用いた差動2段3段ダーリントン全段直結純コンプリメンタリーOCL回路を採用しています。
位相補正のコンデンサを限度まで小さくするとともに、高域でエミッタ接地からベース接地へ変わる差動ドライバー回路を採用することにで高域周波数での裸利得を向上させています。
電源部は左右チャンネル用に独立した電源トランスを搭載しており、セパレーションを改善しています。
電源部のコンデンサーには低倍率タイプの10,000μFコンデンサーを各チャンネル2本ずつ搭載しています。このコンデンサーでは電流通路を太くすることで電流密度を大きくし、インピーダンスを低く抑えています。さらに電解コンデンサーにはメタライズド・ポリエステルフィルムコンデンサーを並列に使用しており、高域特性を改善しています。
また、ドライバー段までの各段は定電圧回路による電源供給を行っており、動作の安定性を向上させています。
PC板には銅箔70μ厚のものを使用しており、信号系のインピーダンスを低減することでSN比やセパレーションの改善を実現しています。
レベルコントロール用に金属皮膜の高精度アッテネーターを使用しています。
入力感度を6dBアップできるゲイン切換スイッチを搭載しています。このスイッチでは初段のNF量を変える方式を採用しています。
電子回路とリレーを組み合わせた保護回路を搭載しており、アンプとスピーカーを保護しています。
この回路は中点電位検出と異常電圧検出を併用した構造となっており、同時に電源ON/OFF時のクリック・ノイズを防いでいます。
2系列のスピーカー切換えが可能です。
スピーカー端子と並列にメーター検出端子を設置しており、別売りのピークメーターユニット(PM-55)を接続することで、出力レベルをチェックする事ができます。
CADISによるデータシートが添付されます。
別売りで480mm幅の標準ラックにマウントするためのキャリングハンドルがありました。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ | ||
回路方式 | 初段カスコード接続・差動2段 全段直結純コンプリメンタリーOCL回路 |
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連続出力(20Hz~20kHz、両ch駆動、0.05%歪) | 60W+60W(8Ω) 85W+85W(4Ω) |
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高調波歪率 |
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混変調歪率(50Hz:7kHz=4:1) | 0.08%(連続出力時) 0.05%(1W出力時) |
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出力帯域幅(IHF) | 5Hz~80kHz(0.1%歪) | ||
周波数特性 | 5Hz~100kHz +0 -3dB(1W出力時) | ||
入力感度/インピーダンス | 1.0V/50kΩ ※スイッチ切換えで感度6dBアップ可能 |
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ダンピングファクター | 50(8Ω) | ||
SN比(IHF-Aネットワーク) | 105dB | ||
チャンネルセパレーション | 80dB(1kHz) 65dB(10kHz) |
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残留雑音 | 0.3mV | ||
使用半導体 | トランジスタ:38個 ダイオード:16個 |
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電源 | AC100V、50Hz/60Hz | ||
消費電力 | 165W | ||
外形寸法 | 幅450x高さ93x奥行375mm | ||
重量 | 14kg | ||
別売 | キャリングハンドル TO-1(左右1組、¥3,000) |