
Audio Research VT200
価格不明(1998年頃)
解説
VTシリーズの最高峰モデルとして開発された管球式ステレオパワーアンプ。
独自の出力トランスはウルトラリニア接続とカソードフィードバックにも対応しており、極めて低いドライブインピーダンスと高効率・高安定動作を確保しています。
パワーステージには信頼性の高い大型ビーム管6550Cを厳選して使用しています。6550Cは左右チャンネル各8本、合計16本を配した4パラレルプッシュプル構成となっています。このため出力インピーダンスが十分に低く、トランスのターン数を低減することで優れたワイドレンジと定損失を同時に実現しています。
信号系は全段バランス構成となっており、入力段に設けて定電流源や、シグナルパスの最短化、LR独立デュアルモノラル構成などでトータルでの完成度を高めています。
シャーシ中央には3スピードのサイレントファンを備えており、必要に応じて真空管を適切に冷却し、安定した動作を補助しています。
入力はバランスとアンバランスを各1系統備えており、どちらを使用しても負荷条件や入力感度に変化がありません。
この入力回路は管球式、半導体式アンプのどちらの組合せにも適するようにインピーダンスが設定されています。このため半導体式のチャンネルディバイダーを接続した場合にもミスマッチの心配がありません。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
定格出力 | 200W+200W(連続、20Hz~20kHz) |
出力帯域幅 | 12Hz~120kHz -3dB |
全高調波歪率 | 1%(1kHz、200W) 0.01%以下(1W) |
周波数特性 | 0.5Hz~200kHz -3dB(1W) |
入力感度 | 2.5Vrms(バランス/アンバランス) |
入力インピーダンス | バランス:200kΩ アンバランス:100kΩ |
出力端子 | 1Ω、2Ω、4Ω、8Ω、16Ω |
ダンピングファクター | 約11 |
SN比 | 109dB(IHF、入力ショート、定格sy通力時) |
スルーレイト | 25V/ms |
ライズタイム | 1.5ms |
使用真空管 | 6550C:マッチドペア8本 6922:10本 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 680W(無信号時) 1,200W(最大) |
外形寸法 | 幅483x高さ276x奥行638mm(ハンドル含む) |
重量 | 46.5kg(本体) 58.3kg(梱包時) |