
ATC SCM100Asl
価格不明(1台、1997年頃)
解説
SCM100slをベースにしたアクティブスピーカーシステム。
SCM100Aslではエレクトロニックディバインディングネットワークと3チャンネルパワーアンプを内蔵しています。
ネットワーク回路とパワーアンプは独立したボックスに収められており、エンクロージャー内部の気圧変化や振動による変調を防いでいます。
slシリーズでは渦電流歪に着目しています。これはボイスコイルに信号が流れてボイスコリウ自体が振動を繰り返す際にフロントプレートとポールピースの間に発生する歪で、これによってボイルコイルのリニアリティが阻害されます。
slシリーズではこの部分に新開発の素材であるスーパーリニア磁性体を採用しています。これはマグネティックマテリアル分野のトップメーカーに協力を要請して開発したもので軟鉄と同等の電流を保持し、一方では絶縁体となるという特長を持っています。この素材を渦電流リングに加工し、ポールピースとフロントプレートで形成されるギャップに装着することで渦電流の実質的除去に成功しています。
2つの渦電流リング間のギャップはボイスコイルを冷却し、ダイナミックレンジを維持するために狭く設計されています。
低域には12inchコーン型ウーファーを搭載しています。
振動板にはパルプコーンを採用しています。
中域には3inchソフトドーム型ミッドレンジを搭載しています。
高域には1inchソフトドーム型ツィーターを搭載しています。
振動板にはポリエステルドームを採用しています。
ネットワーク部のクロスオーバー周波数を380Hzと3.5kHzとしています。
これはピアノの鍵盤のちょうど真ん中が440Hzで、これを音楽の中心周波数とし、380Hz~3.5kHzをレスポンスの優れたミッドレンジに割り当てる事で音質上のメリットを得ています。
エンクロージャーの素材には高密度MDF材を十分な厚みで用いており、さらに補強材を多くの試作によって位置を決め、共振を抑えています。
外観はウォルナット仕上げが施されています。また、サランネットには音の透過率の良い素材を採用しています。
スチールスタンドが付属しています。
機種の定格
方式 | アンプ内蔵・3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 低域用:12inchコーン型 中域用:3inchドーム型 高域用:1inchドーム型 |
周波数特性 | 32Hz~20kHz -6dB 65Hz~12kHz ±2dB |
指向特性 | 水平±80度、垂直±10度 |
入力感度/インピーダンス | 1V/10kΩ以上 |
クロスオーバー周波数 | 380Hz、3.5kHz |
内蔵アンプ出力 | 低域用:200W 中域用:100W 高域用:50W |
最大連続音圧レベル | 108dB/m |
入力端子 | Male XLR(Pin1=ground、Pin2=hot、Pin3=cold) |
仕上げ | ウォルナット仕上げ |
電源電圧 | 100V |
消費電力 | 460W |
外形寸法 | 幅398x高さ832x奥行567mm(サランネット含む、ターミナル別) |
重量 | 74kg |
付属 | スチールスタンド |