
ATC A-7T
価格不明(1台、1998年頃)
解説
A-7のデザインをトールボーイ型に変更したスピーカーシステム。
A-7TはA-7をリスニングに適した高さに容易に設置できるようトールボーイ型を採用しています。
ただし、エンクロージャー全体を内容積とせず、A-本来のバランスを損なわない範囲でわずかに大きくする程度に留め、エンクロージャーを床まで延長したスピーカースタンド一体型デザインとしています。
低域には新規開発された4.3inchのコーン型ウーファーを搭載しています。
このユニットには巨大な3.5kgマグネットを搭載した磁気回路を採用しており、ボイスコイルにはエッジワイズOFCを1基ごとにあえて手作業によって高密度に巻加工して使用しています。このコイルの直径はこの口径のユニットとしては極めて大きく、平均的なユニットの約2倍に達しています。これにより高いリニアリティと変換能力を得ています。さらにコイル全体は極めて狭いギャップ内にあり、黒酸化皮膜マグネットがヒートシンクの役目をして熱圧縮を避けています。コーンアッセンブリーのストロークは全長35mmを実現しています。
高域には新開発の1.2inchドーム型ツィーターを搭載しています。
振動板はポリエステル繊維を最適な形状にハンドメイドしたもので、慎重にダンプされています。これによりクリアで歪の少ないユニットを実現しています。
また、マグネットには高いエネルギーが得られるネオジウムマグネットを採用しています。
ネットワーク部にも自社設計の回路を採用しています。
パーツには特殊OFCによる空芯コイルや耐圧250Vのハイクオリティメタルポリプロピレンコンデンサーを使用し、大きな過負荷時にも対応する構成となっています。
ユニット全体は堅牢なダイキャストシャーシに固定されています。
エンクロージャーには密閉方式を採用しており、音を濁らせない素材を吟味して用いつつ共振を極力抑え、内圧を制御する適切なガスケットやダンプ材を用いて仕上げられています。
外観はヨーロピアンチェリー仕上げが施されています。
バイワイヤリングに対応したスピーカー端子を採用しています。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・2スピーカー・密閉方式・トールボーイ型 |
使用ユニット | 低域用:4.3inchコーン型 高域用:1.2inchドーム型 |
周波数特性 | 75Hz~16kHz ±2dB |
カットオフ周波数(-6dB) | 55Hz/20kHz |
クロスオーバー周波数 | 2.5kHz |
出力音圧レベル | 83dB/W/m |
最大音圧レベル | 103dB/SPL/1m/連続入力 |
インピーダンス | 8Ω |
指向特性 | 水平:±80゜コヒーレント 垂直:±10゜コヒーレント |
内容積 | 7+αリットル |
入力端子 | 巻付ポート/4mmプラグ/バイワイヤリング対応 |
外形寸法 | 幅175x高さ920x奥行220mm |
重量 | 13.5kg |