
ATC SCA2
¥1,000,000(1997年発売)
解説
ATC独自のアプローチと方法論によって設計されたコントロールアンプ。
SCA2は基本的にシンプルな一段増幅を採用しており、超高域での位相ズレを最小限となり、可聴帯域への影響が少ない回路を実現しています。これにより極めて広帯域で高出力、高利得、低歪を達成しています。
全てのアンプステージが定電圧ドライブによるバイポーラトランジスタ及びFETを用いたディスクリート構成となっています。
入力ステージはカスコード接続のFETで、ローノイズバイポーラトランジスタによるピュアコンプリメンタリーロングテールペア構成となっています。カレントミラーの出力はコンプリメンタリーダーリントントランジスタのバッファステージへ伝送されます。
高精度ロータリーアッテネーターや入出力端子のガス封入金メッキリレーなどの高品質パーツを採用しており、信号の劣化を抑えています。
テープバッファー回路などを1枚のサーキットボード上に配しています。また、ボードレイアウトもチャンネル間のクロストークを引き起こさないよう設計がされています。さらに各ゲインステージにローカルパワーサプライが配されており、安定した質の良い電源供給を実現しています。
バランス入力を2系統、出力を1系統装備しています。
宇宙技術グレードのステンレス鋼やショットブラスト加工のアルミニウムを使用しています。
専用リモートコントローラーであるSCA Rが付属しています。
このリモコンではコントロールアンプSCA2とパワーアンプSPA150とのペア使用で操作性が一段と高まる設計となっています。
別売りオプションとして内蔵オンボードユニットタイプの専用フォノイコライザーアンプユニットSPH2がありました。
この回路はMC/MM型カートリッジに対応しており、ATCが特許を持つコンデンサーを用いるとともに、左右独立パワーサプライ装備などによるパッシブ/アクティブ型回路となっています。
また、負荷インピーダンスや静電容量などを基板上のディップスイッチによって設定できます。
機種の定格
型式 | コントロールアンプ |
周波数特性 | DC~500kHz |
全高調波歪率 | 114dB以上 |
入力感度(1V出力時) | Balanced:275mV Unbalanced:150mV |
入力端子 | Balanced:CD、Aux1 Unbalanced:CD、TV/AV、Tuner、Aux2、Tape1/2 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
外形寸法 | 幅440x高さ100x奥行360mm |
重量 | 9.5kg |
付属 | ワイヤレスリモコン SCA R |
別売 | フォノイコライザーアンプユニット SPH2 |