AR(Acoustic Research) AR-94
¥78,000(1台、1980年頃)
解説
ハイテックシリーズのフロア型スピーカーシステム。
低域には20cmコーン型ウーファーを、中域には20cmコーン型ミッドレンジを搭載しています。
これらのユニットではネットワークによってウーファーユニットだけ350Hz-6dB/octのスロープでカットし、ミッドレンジユニットにも低域を受持たせています。これによりデュアルウーファー構成とすることで低音再生を改善しています。
高域には3.2cmドーム型トゥイーターを搭載しています。
ポールピースとヨークの間に磁気液を注入することでパワーハンドリング能力を高めています。また、磁気液はボイスコイルを自然にポールピースの中心軸へ導くため、ユニットの精度が向上し歪の少ない再生を可能としています。この磁気液はコロイド状のバインダーに微細な金属粒子が混ざったもので、磁界の強さに応じて液体が運動する性質を持っています。
さらに、トゥイーターの周囲にアコースティックブランケットを取り付けることでエンクロージャーのエッジにまわり込む中高音を吸収し、音の乱反射を抑えています。
ネットワーク部には17AWG空芯コイルや電解コンデンサー、無誘導高耐入力セラミック抵抗が使用されています。
エンクロージャーには高密度パーチクルボード製を使用しています。外観は天板と脚部はブラックモールド仕上げとなっており、側面はフロントバッフルを含めて音響透過性に優れた黒いネットが取り付けられています。
内部方式には伝統のアコースティックサスペンション方式が採用されており、完全密閉されたエンクロージャー内部の空気がコーンを支えるスプリングとして作用することで低音再生を改善しています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・アコースティックサスペンション方式・フロア型 |
使用ユニット | 低域用:20cmコーン型 中域用:20cmコーン型 高域用:3.2cmドーム型 |
低域再生周波数 | 44Hz -3dB |
システムQ | 1.0 |
出力音圧レベル | 87dB/W/m |
インピーダンス | 6Ω(最小5Ω) |
連続許容入力 | 125W |
クロスオーバー周波数 | 350Hz、2kHz |
内容積 | 50L |
外形寸法 | 幅356x高さ778x奥行273mm |
重量 | 20kg |