
ALTEC LANSING BF-419/Malaga
¥59,800(1台、1970年頃)
解説
419A Biflexを用いたブックシェルフ型スピーカーシステム。
BF-419/Malagaはエレクトリが製造したもので、ALTEC LTV Research音響研究部長であるMr.Beavers氏を筆頭とする技術陣とエレクトリの協同研究で設計されています。
ユニットには30cmのマルチコーン型フルレンジユニットである419A Biflexを採用しています。
このユニットの振動板は低域用の30cmコーンと中域用の16cmコーンがマルチダンプされたコルゲーソンエッジで連結された特殊形状コーンとなっており、可聴周波数全域にわたって歪を大幅に低減しています。また、中心に装着された直径75mmのメタルラジエーターにはアルテックのホーンドラーバー振動板と同じ素材を使用しており、特に最高音域を受持たせて拡散特性の優れた高音域を実現しています。
磁気回路にはアルミリボン線をエッジワイズ巻きにした直径75mmの大型ボイスコイルを使用しており、マグネットには特に選別されたアルニコV型マグネットを採用しています。このマグネットは規定された磁束密度までしか励磁されないアルテック独特のマグネットで、品質ムラがありません。
フレームにはアルミダイキャストを採用しています。
エンクロージャーのフロントバッフルには将来のグレードアップを想定してトゥイーター及びネットワークが簡単に取り付けられるよう取付孔が設けられており、目隠しの板で封印した形状となっています。
エンクロージャーの素材には超硬質ホモゲン材を使用しており、外観はウォルナットにエレクトリ直輸入のオイル塗料を浸透させて仕上げています。また、サランネットには特別織りの高音透過率に特に留意したサランネットをアルテック独特のカーブを持つデザインで処理しています。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・1スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型 |
使用ユニット | 全帯域用:30cmマルチコーン型(419A Biflex) |
インピーダンス | 8Ω |
再生周波数帯域 | 30Hz~15kHz |
最低共振周波数 | 39Hz |
出力音圧レベル(JIS) | 105dB/W |
許容入力 | 20W |
ボイスコイル直径 | 75mm |
磁束密度 | 10,400gauss |
マグネットアッセンブリ | 4.4kg |
クロスオーバー周波数 | 1kHz(メカニカル) |
エンクロージャー材質 | 硬質ホモゲン+特殊合板 |
塗装 | ウォルナットオイル仕上げ |
外形寸法 | 幅400x高さ640x奥行360mm |
重量 | 21.8kg(エンクロージャー15kg、ユニット6.8kg) |
BF-419/Malagaを基本としたグレードアッププラン
当時のカタログではグレードアッププランが掲載されていました。
3000H型トゥイーターを追加したプラン
3000H型トゥイーターとN-3000E方ネットワークを付加し、3kHz以上を受け持たせています。
ホーン型ユニットを追加したプラン
806A型ドライバーと811B型ホーン、N-800G型ネットワークを付加し、800Hz以上を受け持たせています。