ALTEC LANSING A5system
※1945年発売 | |
A5(1975年前半) | 価格不明(1台、1975年頃) |
A5(1975年後半~ | ¥632,500(1台、1975年頃) ¥655,000(1台、1977年頃) |
A5-F | ¥850,000(1台、1981年頃) |
A5B/MRII594A | 価格不明(1台、1988年頃) |
A5C/MRII594A | 価格不明(1台、1988年頃) |
解説
アルテックの代表的なスピーカーシステム。
A5はボイス・オブ・ザ・シアターと名付けられたアルテックの劇場用スピーカーシステムの1つです。
ボイス・オブ・ザ・シアターは1945年にA1からA6までのバリエーションがリリースされ、その後1954年にA7、その後A8、A9、A10が加えられた全10種類がラインナップされていました。
1953年にボイス・オブ・ザ・シアターシリーズは映画芸術科学アカデミーからワールドスタンダードの承認が与えられました。
日本ではA7より遅く、A7が60年台のカタログから掲載されているのに対し、A5は1975年以降になってはじめて掲載されるようになりました。
A5の高域ホーンはステレオサウンド誌によると、本来はマルチセラーホーンだったようです。しかし、代理店であったエレクトリが家庭用として使用することを考慮して311-90に変更して販売していたようです。これが理由か分かりませんが日本ではA5はA5systemとだけ掲載された機種が長い間販売されており、使用ユニット等が変更されても製品名は変わらないままでした(海外ではA5、A5A、A5-Xなどの型番があったようです)
- A5(1975年前半頃)
管理人が所持している日本国内のカタログでは最初期のA5になります。
低域には38cmコーン型ウーファー515Bを使用し、高域にはドライバー291-16Aとホーン311-90を使用しています。
ネットワークはN500F、エンクロージャーは825Bを使用しています。
- A5(1975年後半~)
A5とA7の単品カタログに掲載されているA5です。
1975年のものとは写真では同じに見えますが、ユニット、エンクロージャーが異なります。また、1975年後半の総合カタログでも構成が変更されていました)
低域には38cmコーン型ウーファー515Bを使用し、高域にはドライバー288-16Gとホーン311-90を使用しています。
ネットワークは1975年後半のカタログではN500F、エンクロージャーは828Bを使用しています。
※1976年の単品カタログではネットワークがN500F-Aに変更されていました。
- A5(1980年~1981年)
1980年~1981年の国内カタログに掲載されていたA5です。
カタログによってはA5-Mと記載されていました。
写真は同一ですが、2つのカタログでは構成に変更があり、エンクロージャーが1980年のカタログでは828C、1981年のカタログでは828Eとなっていました。
低域には38cmコーン型ウーファー515Cを使用し、高域にはドライバー288-16Hとホーン311-90を使用しています。
- A5-F
1981年頃のA5モデル。
型番末尾の-Fはフェライトタイプを示しており、この頃からユニットの磁気回路にフェライトマグネットを採用しています。
低域には38cmコーン型ウーファー515Eを使用し、高域にはドライバー288-16Kとホーン311-90を使用しています。
エンクロージャーは828Gを採用しています。
- A5B/MRII594A A5C/MRII594A
A5にマンタレイホーンMRII594Aを組み合わせたスピーカーシステム。
A5BとA5Cの違いは高域とネットワークで、A5Bではドライバーユニット288-8LとネットワークN1285-8Bを使用し、A5Cではドライバーユニット299-8AとN500-8Hを使用しています。
A5BのN1285-8Bはクロスオーバー切替式となっています。また、A5Cの299-8Aにはパスカライト・ダイアフラムを採用しています。
低域には38cmコーン型ウーファー515-8Gを使用し、エンクロージャーには828Hを搭載しています。
エンクロージャーは120Hz以下ではバスレフ動作し、120Hz以上ではホーン動作となります。板材には19mm厚パーティクルボードを使用しています。外観はシアターグレイのスパッター仕上げが施されています。
ホーンの取付け上面固定だけでなく、エンクロージャー内蔵も可能となっています。
端子には赤黒五角形バインディングポストを使用しており、極性は赤端子に正信号を流すと振動系が前面に動くようになっています。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・2スピーカー・ホーン+バスレフ方式・フロア型 | |||||||
構成 | ||||||||
型名 | 低域 | 高域 | ネットワーク | エンクロージャー | インピーダンス | クロスオーバー | 許容入力 | |
米国 | A5(1945): | 515 | 288+ H805/H1005/H1505 |
N500C | H110 | 12Ω | 500Hz | - |
A5-X: | 515B | 288C+ 805B/1005B/1505B |
N500C | 825 | 16Ω | - | ||
A5-X: (1975) |
288-16G+ 805B/1005B/1505B |
N500F | 828B | 60W | ||||
A5A: (1980) |
515E | 288-16K+ 805B/1005B/1505B |
N500F | 828E | ||||
A5A: (1983) |
828G | - | ||||||
日本国内 | 1975前半: | 515B | 291-16A+311-90 | N500F | 825B | 16Ω | 500Hz | 50W(最大) |
1975後半: | 288-16G+311-90 | 828B | 75W (連続プログラム) |
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1976: | N500F-A | 60W (連続プログラム) |
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1977: | 75W (連続プログラム) |
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1980: | 515C | 828C | ||||||
1981: | 828E | |||||||
A5-F: | 515E | 288-16K+311-90 | 828G | |||||
A5B/MRII594A: | 515-8G | 288-8L+MRII594A | N1285-8B | 828H | 8Ω | 500、800、1.2kHz | - | |
A5C/MRII594A: | 299-8A+MRII594A | N500-8H | 500Hz | 75W(AES基準) 150W(プログラム定格) |
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周波数特性 | A5A(海外、1980):40Hz~15kHz A5(1975後半/1976):30Hz~16kHz A5(1977):30Hz~15kHz A5(1980/1981):30Hz~16kHz A5-F:30Hz~16kHz A5C/MRII594A:35Hz~20kHz |
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出力音圧レベル | A5X(海外、1975/1978):104dB SPL A5(1975後半/1976/1980/1981):106dB(新JIS) A5-F:106dB A5C/MRII594A:103dB SPL(1W、1m、35Hz~20kHz) |
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最大出力 | A5C/MRII594A:122.2dB-SPL(1m) | |||||||
外形寸法 | A5(1975前半):幅762x高さ1,470x奥行610mm A5(1975後半/1976/1980/1981):幅762x高さ1,470x奥行612mm A5-F:幅762x高さ1,470x奥行612mm A5B/MRII594A:幅760x高さ1,397x奥行610mm(海外カタログ記載) A5C/MRII594A:幅762x高さ1,378x奥行610mm(海外カタログではA5B/MRII594Aと同じ) |
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重量 | A5A(海外、1983):109kg(805B)、110kg(1005B)、116kg(1505B) A5(1975前半/後半/1976):75.6kg A5(1980/1981):84.6kg A5-F:100kg A5B/MRII594A:91kg(海外カタログ記載) A5C/MRII594A:82kg(海外カタログではA5B/MRII594Aと同じ) |