AKAI M-8
¥108,000(1964年頃?)
解説
クロスフィールドヘッドとバーチカルステレオシステムを搭載したテープデッキ。
ヘッド部にはクロスフィールドヘッドを採用しています。
このヘッドではテープを挟んで2つのヘッドを向かい合わせに設置した構造となっています。これにより互いのヘッドより出る磁場をクロスさせて録音しており、広帯域の録音が可能となっています。
録音・再生ヘッドのホルダー部分には特殊合金が使用されており、安定した状態を保っています。
また、バイアス用のクロスフィールドヘッドはテープと直接触れないため摩耗しません。
バーチカルステレオシステムを搭載しています。
これは、従来のステレオ方式に縦方向の音源を加えることで三次元の立体音響を作り出すものです。M-8型では内部スピーカー2個をケース上部に取り付けており、垂直使用時には内部スピーカーの音が天井で反射され、縦方向の音源を作り出すように設計されています。
左右チャンネルにスピーカーを設置し、中心にM-8を配置することで4個の音源から出るステレオ音が部屋全体に広がります。
サウンドオンサウンド機能を搭載しています。
テープデッキとアンプが独立した設計となっており、レコードプレイヤーを追加するだけでHi-Fi電蓄として使用できます。
テープクリーナーを搭載しています。
M-8に搭載されたテープクリーナーは録音テープに付着しているゴミや酸化鉄粉を取り除き、録音・再生時に出るノイズを除去します。
FMマルチプレックス放送の録音が可能です。
メカニズム部のモーターには2スピードヒステリシスシンクロナスモーターを搭載しています。
オートマチックストップとコンプリートシャットオフ機構を搭載しています。
瞬時停止レバーを搭載しています。
大型のVUメーターや4桁テープカウンターを搭載しています。
DINジャックを搭載しています。
ヒートコントロール機構を搭載しており、安定した性能を確保しています。
水平、垂直のどちらでも使用できます。
別売りでスピーカーシステムSS-110がありました。
このスピーカーはM-8に最適なデザインとなっています。
機種の定格
型式 | テープデッキ |
テープ速度 | 4.75cm/s、9.5cm/s、19cm/s、38cm/s |
ワウフラッター | 0.15%RMS以下(19cm/s) 0.25%RMS以下(9.5cm/s) 0.35%RMS以下(4.75cm/s) |
周波数特性 | 30Hz~25kHz(19cm/s) 40Hz~21kHz ±3dB(19cm/s) 40Hz~18kHz ±3dB(9.5cm/s) 40Hz~10kHz ±4dB(4.75cm/s) |
全高調波歪率 | 2%以下(1kHz、0VU) |
出力 | 6W+6W |
イコライザー特性 | NARTB特性(再生) |
録音レベル指示 | VUメーターx2(再生レベル指示兼用、ランプ付き) |
録音方式 | 4トラックステレオ/モノラル、クロスフィールドバイアス方式(特許 第451906号) |
早送り、巻戻し方式 | 各90秒(370mテープ、50Hz) 各75秒(370mテープ、60Hz) |
モーター | ヒステリシスシンクロナス2スピードモーター |
スピーカー | 10cmコーン型x2 |
使用真空管 | 6267(EF86)x2 12AD7(12AX7)x2 6BQ5x2 6X4x2 6AR5x1 |
電源電圧 | AC100V~240V間で6段階切換、50Hz/60Hz |
消費電力 | 100W |
外形寸法 | 幅340x高さ510x奥行226mm |
重量 | 21.5kg |