AKAI GXC-41D
¥54,000(1973年頃)
解説
GXヘッドを搭載したカセットデッキ。
録再ヘッドにはGXヘッドを採用しています。
GXヘッドでは優れた耐久性と高い透磁性を持つ単結晶フェライトを採用すると共に、高い耐摩耗性を持つ超硬質ガラスでヘッド全体を包んだ構造となっています。これによりゴミや埃のほか、テープ磁性体のような酸化鉄による影響を排除しています。
独自の自動歪率減少装置であるA.D.Rシステムを搭載しています。
ジャズやロックなどの音楽では特に高域の成分が増え、瞬間的に極端な強弱が起こったり高低が激しく上下します。しかしこの高域成分は録音時のVUメーターにはレベルとして現れにくく、歪や抜けなどの現象を引き起こします。ダイナミックレンジの狭いカセットテープではこの傾向が強く、高域信号の減磁だけでなく、これにより発生したビート信号の影響によって低域信号に対しても混変調歪が出ます。こうした現象は従来のタイプの録音アンプではレベルに関係なく高域に同じ補償を行っていたため避けられませんでした。
A.D.Rシステムでは高域の信号に対して周波数ごとに入力信号のレベルにあわせて録音イコライザーを変化させ、テープのダイナミックレンジに合わせて録音します。これにより常に高域のリニアリティの良い部分での録音が可能となり、歪や減磁作用による記録信号の減少がなくなり、ハイレベルでの周波数特性の劣化により歪やビートから開放された音が得られます。
O.L.S(Over-Level Suppressor回路を搭載しています。
従来のカセットテープはコーティング層が薄く、飽和点も低いため過大入力に対して歪が多くなり、録音レベルを高くとることが困難でした。O.L.S回路ではこれらの弱点に対してスイッチを切換すだけでレベルをオーバーした時や瞬間的に過大な入力が入った場合でも音を歪まさず、歪率を最小限に抑えます。
ダイレクトファンクションチェンジ操作機構を採用しており、録音・再生・早送り・巻戻し・ストップなどの操作がワンタッチで行え、モードを変えるたびにストップボタンを押す必要がありません。
テープ切換スイッチを搭載しています。
クロームテープとローノイズテープに対応しており、周波数補償量を変えてテープの性能を引き出せます。
オートマチックストップ機構を搭載しています。
機種の定格
型式 | カセットデッキ |
トラック方式 | 4トラック2チャンネルステレオ方式 |
ヘッド | 録再:GXヘッド 消去ヘッド |
周波数特性 | 30Hz~17kHz(クロームテープ) 30Hz~15kHz(ローノイズテープ) |
ワウ・フラッター | 0.12%WRMS以下 |
歪率 | 1.5%以下(1kHz、0VUにて) |
S/N比 | 49dB以上 |
消去率 | 70dB以上 |
早送り/巻戻し時間 | 60秒以内(C-60テープ使用) |
出力ジャック | Line:0.775V(0VU)/100Ω 最適負荷インピーダンス:20kΩ以上 Headphone:30mV/8Ω |
入力ジャック | Mic:0.5mV/4.7kΩ Line:70mV/200kΩ |
DINジャック | 0.5V/30mV(High)/3mV(Low) |
使用半導体 | トランジスタ:21個 ダイオード:24個 |
消費電力 | 20W |
外形寸法 | 幅410x高さ133x奥行295mm |
重量 | 6.7kg |