AKAI GX-F60R
¥99,800(1981年頃)
解説
それまでのリバースデッキの開発ノウハウと、先進の技術を投入することで誕生したオートリバースデッキ。
クイックリバースにはアカイが開発した赤外線テープセンサーによるクイックリバースシステムを採用しています。
これは、磁気テープの部分が終了し、その次にリーダーテープが赤外線テープセンサーの位置を通過しようとするとき、センサーがそれを検知し、即座にリバース機構が働くというシステムです。
これにより、リバース時の無音時間を0.7秒に短縮化し、長時間番組の留守録音などにも対応しています。
ヘッドには、一つのヘッドハウジングに録音用ギャップ(4μ)と再生用ギャップ(1μ)をそれぞれ設定したツインフィールド構造により、3ヘッド方式と同等の性能を実現したスーパーGXヘッドを搭載しています。
さらにこのヘッドは、パーマロイやセンダストなどの金属ヘッドに比べて、耐摩耗性、ノイズの少なさ、ゴミが付着しにくいなどの二次特性の面でも優れた性能を有しています。
メカニズム部にはバイ・カウンターキャプスタンドライブ方式というアカイ独自のメカニズムを採用しています。
フォワード方向、リバース方向それぞれに専用のキャプスタンシャフトとピンチローラーを設けることにより、往復の特性を均一化し、テープ反転時の立ち上がりのよさも可能にしています。
さらに、往復兼用の録再ヘッドを独自の精密駆動メカにより前後にシフトさせるリニアモーション機構を搭載しています。
キャプスタン駆動用には電子制御DCモーターを、リール駆動用にはトルクの強い専用のDCモーターをそれぞれ搭載した2モーターメカニズムを採用しています。
様々な録音と再生の機能が楽しめる3段切換えのリバースセレクターを搭載しています。
2モーターシステムのメカニズムを生かし、操作ボタンは各動作のタイミングがICロジック回路で制御されたフェザータッチのダイレクトファンクションチェンジ機構を採用しています。
各モードの切換えは、選びたいモードのボタンを指で押すだけで可能です。
スイッチ切換えによりVUメーターにもピークメーターにもできる蛍光表示管を使用したデジタルメーターを搭載しています。
さらにピーク、VUいずれの場合にもホールドできるアカイ独自のピークホールド機能を備えています。
ワンタッチで高性能テープにも対応できる4ポジションテープセレクターや、CMやナレーションカットができるレコーディングミュート機構、タイマースタート機構、MPXフィルターつきドルビーNRシステム、アウトプットボリューム、モノマイク機構などを搭載しています。
別売りでリモートコントロールユニットがあり、リスニングポジションでの操作が可能です。
機種の定格
型式 | クイックリバースデッキ |
トラック方式 | 4トラック2チャンネルステレオ方式 |
テープスピード | 4.75cm/s |
ワウ・フラッター | 0.04%WRMS(JIS) |
周波数特性 | LNテープ:30Hz~15kHz ±3dB LHテープ:30Hz~16kHz ±3dB CrO2(SA)テープ:30Hz~16.5kHz ±3dB メタルテープ:30Hz~19kHz ±3dB |
歪率 | 0.7%(メタルテープ、1kHz、0VU) |
S/N | 60dB(メタルテープ、3%THDレベルWTD) ドルビーNR使用時:5dB改善(1kHz)、10dB改善(5kHz以上) |
録音バイアス周波数 | 100kHz |
ヘッド | 録再:ツインフィールドスーパーGXヘッドx1 消去:ダブルギャップ消去ヘッドx2 |
モーター | キャプスタン駆動用:電子制御DCモーターx1 リール駆動用:DCモーターx1 |
早送り/巻戻し時間 | 60秒(C-60テープ使用時) |
入力感度/インピーダンス | ライン:70mV/47kΩ以上 マイク:0.25mV/600Ω(-70dB) |
出力レベル/インピーダンス | ライン:0mV~410mV(最大時0VU)/20kΩ以上 ヘッドホン:0mV~100mV/8Ω |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 35W |
外形寸法 | 幅440x高さ150x奥行290mm |
重量 | 10.7kg |
付属 | コネクションコードx2 |
別売 | リモートコントロールユニット RC-21(¥6,000) |