
AKAI GX-747
GX-747:¥220,000(1981年頃)
GX-747 BL:¥224,000(1981年頃)
解説
GX-635Dを超えるシステムとして徹底的に音質を追求して開発されたステレオテープデッキ。
テープセレクターを搭載しており、アカイで初めてEEテープに対応しています。
EEポジションは、アカイとマクセル、TDK、ティアックの4社共同開発によるテープ規格で、ハイポジション用カセットテープやビデオテープに使われている磁性材(マクセル:エピタキシャル、TDK:アビリン)を新たにオープンリール用としたもので、高域におけるMOL特性の大幅な向上とノイズレベルの低減を可能にしています。
GX-747ではEEテープの特性を引き出すため、イコライザー、走行系、ヘッドなどにEEテープ対応の仕様が施されています。
ヘッド部にはニューGXヘッドを採用しています。
ニューGXヘッドはセンダストやパーマロイなどの金属ヘッドに比べて動特性に優れているという特徴を持っています。またヘッドコア先端の形状を複合R形とすることでコンターエフェクトを改善し、低域再生を改善しています。さらにトラック間のシールド強化によってロークロストーク化も実現しています。
その他に、耐摩耗性やゴミのつきにくさ、経年変化においても優れた特徴を持っています。
消去ヘッドは強い保持力を持つEEテープに対応するため、ダブルギャップ設計となっています。
ヘッド構成は録音用、再生用、消去用をそれぞれフォワード、リバースに配置した6ヘッド構成となっており、両方向いずれも同時モニターが可能です。
メカニズム部のキャプスタン駆動にはGX-635Dと同様サーボ特性の良いサンプル&ホールド回路を使用したCPG内蔵ACサーボモーターを採用しています。さらにGX-747ではキャプスタン・シャフトにアカイ独自の超精密仕上げを施し、耐摩耗性やテープグリップ力を向上させています。
送り出しや巻き取りにはそれぞれ独立した専用モーターを使用した3モーターDDシステムとなっています。
テープ走行メカニズムにはシンメトリカルテープ走行メカニズムを採用しています。
この方式ではフォワード用3ヘッド、リバース用3ヘッドを左右対称にレイアウトし、左右各々にガイドローラーをセットすることによって往復とも最適なヘッドタッチで安定したテープ走行を実現しています。
また、テンションアームにはオイルダンパー方式を採用しており、スタート時の急激なテープ振動を確実に吸収するとともに優れた立ち上がり特性を保証し、しかもテープの保護機構も兼ね備えています。
録音アンプには選びぬかれたハイクオリティ素子を採用しており、最新の電子回路技術を投入することで安定性を高めています。
新開発のオートロック/リリース機構を採用しており、テープの装着をワンタッチで行えます。
さらに、テンションアームに搭載された専用モーターによってテープに多少のたるみがある場合でも走行スタート時に適切なテンションが自動的にかかってこれを補正します。
システムコントロール部はマイコンで構成されており、フェザータッチで自在なポジションチェンジが可能なダイレクトファンクションチェンジ方式となっています。
オートリバース録再機構を搭載しており、専用マイコン搭載のカウンターオートシステムによってメモリリバース・即動オートリバースプレイが可能となっています。また、片道録再や一往復録再、連続再生もワンタッチで自動切替できます。
従来通りのセンシングテープによるマニュアルリバースも可能です。
10号オープンリールでは世界で初めてマイクロコンピューターを2機搭載しており、大幅な電子化によって多彩な機能を搭載しています。
2機のマイクロコンピューターはシステム用とカウンターオートシステム用となっており、システムコントロール用マイコンから伝送されてくるカウンター情報をカウンター用マイコンが処理し、システムコントロール用マイコンにコントロール情報として送り返します。
この2機のマイコンによって5つのオートシステムが可能となっており、プリセットメモリーオートリバース機能、即動メモリーオートリバース機能、ラップカウンター機能、カウントアップ機能、オート0ストップ機能を搭載しています。
カウンターは時/分/秒をリアルタイムで表示する電子デジタルカウンターで、5時間59分59秒までカウントできます。
プリセットメモリーオートリバース機能ではリバースポイントをプリセットすることで、どの位置からでもオートリバースが可能です。
録音時はリバースポイントをセットすることで連続往復録音が可能です。また、再生時にはリバースセレクターを連続にセットすれば0:00:00との間で繰返しオートリバースが行われます。
即動メモリーオートリバース機能ではテープ走行中に任意の位置でワンタッチでオートリバースが行えます。
また、リバースセレクターを連続にセットすれば0:00:00との間でメモリーオートリバース再生が可能です。
ラップカウンター機能は、初めにセットしたテープカウンターとは別に録音・再生中の特定のプログラム時間が計測できます。この時、初めにセットしたカウンターも継続して作動しているため、ラップカウンター機能を解除すれば通常のテープカウンターが表示されます。
カウントアップ機能では、録音再生時にフォワード、リバースどちらの方向でもカウントを加算して表示できます。
往復録音・再生を行っている時にテープ方向が逆転してもカウントを加算して表示できるため、プログラム時間などの計算が楽に行えます。
オート0ストップ機能は、カウント減算方向に巻戻し/早送りしている時に、0:00:00の位置でオートストップさせることができます。この時、減速しながら停止するため、テープを痛める心配がありません。
パワースイッチをOFFにしてもカウンターをメモリーしておけるメモリーバックアップアダプターを搭載しています。
再生したまま早送り、巻戻しができるキュー/レビュー機構を搭載しています。
自動的に4秒間の無音録音部分がつくれるオートミュート機構を搭載しています。
フェードイン/フェードアウトに便利なフリクションストップ付きメモリーマーカーを搭載しています。
VUメーターを搭載しています。
留守録音できるタイマースタート機構を搭載しています。
±30%可変できるバイアスアジャスターを搭載しています。
再生時のテープスピードを±6%の範囲で変えられるピッチコントロールを搭載しています。
マイクとラインのミキシングが可能です。
誤消去を防止する録音モードセレクターを搭載しています。
リールサイズに合わせて適正なテープテンションが得られるリールサイズセレクターを搭載しています。
ヘッドホン出力の調整も可能な出力ボリュームを搭載しています。
ブラックとシルバーの2色のカラーバリエーションがありました。
別売りのリモートコントロールユニットが使用できます。
機種の定格
型式 | テープデッキ |
トラック方式 | 4トラック2チャンネルステレオ方式 |
リール | 26形(10号) |
テープ速度 | 19cm/s(±0.8%)、9.5cm/s(±1.0%) |
ワウ・フラッター | 0.03%Wrms(19cm/s) 0.04%Wrms(9.5cm/s) |
周波数特性 (EEポジション用テープ使用時) |
25Hz~33kHz ±3dB(19cm/s) 25Hz~25kHz ±3dB(9.5cm/s) |
歪率 | 0.4%以下(1kHz、3次高調波歪率) |
SN比 | 65dB(19cm/s) |
ヘッド | GX録音ヘッドx2 GX再生ヘッドx2 消去ヘッドx2 |
モーター | ACサーボダイレクトキャプスタンモーターx1 ACエディカレントリールモーターx2 |
早送り巻戻し時間 | 約75秒(10号リール360mテープ使用時) |
入力レベル | マイク:0.25mV ライン:70mV |
出力レベル | ライン:0.775V ヘッドホン:1.3mW |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 80W |
外形寸法 | 幅440x高さ493x奥行256mm |
重量 | 23.2kg |
付属 | 接続コードx2組 空リールx1 センシングタブキットx1セット リールハブアダプターx1組 ACアダプターx1 |
別売 | ワイヤードリモコン RC-21(¥6,000) |