
AKAI GX-630D
¥164,000(1975年発売)
解説
ロングライフ指向を元に、赤い独自の技術を投入して開発されたテープデッキ。
ダイレクトドライブ方式を採用しており、優れたワウフラッター特性を獲得するとともにベルトなどの経時変化を排除しています。
キャプスタン駆動モーターには新開発のCPG内蔵ACサーボモーターを搭載しています。
CPGでは、モーターの中心軸付近にある検出コイルでモーターの回転数に応じたAC電圧を検出しています。検出された信号は大出力のため、電子制御を行う上で有利です。また、モーターコイルに流れる電流をコントロールするため、電磁ブレーキ型のような振動や発熱が無く、効率の良い滑らかな回転を実現しています。
録音ヘッドと再生ヘッドにはアカイ独自のGXヘッドを採用しています。
GXヘッドは耐摩耗性に優れており、理想的な形状と鏡面仕上げによってテープパスを向上するとともにゴミを付きにくくしています。また、シャープなバイアス磁界によるフォーカストフィールド録音を可能にしています。
インピーダンスローラーを搭載しており、音を濁す微細なテープ振動を抑えることで変調歪を低減しています。
また、テンションアームによってスタート時に起るテープの巻き込みを防止しています。
ワンタッチで切換えられる2ポジションテープセレクターを搭載しており、ローノイズテープとワイドレンジテープが使い分けられます。
操作ボタンはフェザータッチ式となっています。また、ダイレクトファンクションチェンジ機構を採用しており、素早く確実に操作の切換が行えます。
26形(10号)と17形(7号)リールのテンションを切換えられるリールサイズセレクターを搭載しています。
スタート時はクイックテンションをかけ立ち上がり特性を改善し、走行時は巻き取りトルクとバックテンションが働くことでヘッドタッチを一定に保っています。リールサイズセレクターでは各リールサイズに合わせたバックテンションが選択できます。
ライン入力とマイク入力が独立しており、ミキシング録音が行えます。
また、録音レベルは独立ボリュームでVUメーターを見ながら調整できます。
独自のポーズ機構を搭載しており、一時停止状態ではテープシフターが録音・再生時と同じ位置で待機するため、テープはヘッドに触れたままとなります。このため、再スタートする時に音の途切れがありません。
ライン出力が調整できるアウトプットボリュームを搭載しています。
後追い録音が可能です。
別売のリモートコントロールユニットをリモコンジャックに接続することで留守録音が可能です。
機種の定格
型式 | テープデッキ | ||
トラック方式 | 4トラック2チャンネルステレオ/モノラル方式 | ||
リール | 26形(10号) | ||
テープ速度 | 19cm/s、9.5cm/s(±0.5%) | ||
ワウ・フラッター | 0.04%Wrms(19cm/s) | ||
周波数特性 |
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歪率 | 0.5%(1kHz、0VU) | ||
SN比 | 60dB | ||
再生補償特性 | NAB | ||
消去率 | 70dB以上 | ||
録音バイアス周波数 | 100kHz | ||
ヘッド | 再生:GXヘッドx1 録音:GXヘッドx1 消去ヘッドx1 |
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モーター | キャプスタン用:CPG内蔵ACサーボモーターx1 リール用:6極エディカレント・アウターローターモーターx2 |
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早送り巻戻し時間 | 120秒以内(740mテープ使用時) | ||
入力感度/インピーダンス | マイク:0.25mV/-70dB/適合インピーダンス600Ω~10kΩ ライン:70mV/-21dB/150kΩ DIN:2.5mV/-50dB/30kΩ |
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出力レベル/インピーダンス | ライン:0.775V(0VU)/負荷インピーダンス20kΩ以上 DIN:0.5V(0VU) ヘッドホン:30mV/8Ω |
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使用半導体 | トランジスタ:50個 ダイオード:57個 |
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電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz | ||
消費電力 | 70W | ||
外形寸法 | 幅440x高さ465x奥行240mm | ||
重量 | 19.0kg | ||
付属 | メタリック26形(10号)空リール リールハブアダプターx2 コネクションコード |
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別売 | ワイヤードリモコン RC-17 |